「幸せ夫婦」と「別れる夫婦」が口論で見せる"主導権争い"の決定的な差異
しかし不幸なカップルは、一つの意見の不一致が、他のすべてに波及していく。「休日は私の家族と過ごすのか、それともあなたの家族と過ごすのか」という話し合いが、すぐに「あなたはわがままだし、洗濯もしない。だからいつもお金が足りない」になる。(結婚セラピーでは、これはキッチン・シンキング〔キッチンの流しのようにあらゆるものが詰め込まれる〕と呼ばれ、特に破局につながりやすいパターンである)。
これら3つに──自分自身をコントロールすること、環境をコントロールすること、争いの範囲をコントロールすること──専念することの利点の一つは、幸せなカップルが一緒にコントロールできるものを見つけられることだ。言い争いは続いたし、意見の相違もあった。しかしコントロールすることに関しては同じ態度でいられる。
コントロールしたいという欲求
コントロールをめぐる姿勢の違いは、なぜうまくいくカップルとそうでないカップルがいるのかを説明する要因の一つに過ぎない。しかし緊張が高まっているとき、一緒にコントロールできることに意識を向ければ、衝突は生まれにくくなる。
自分自身と環境、そして争いそのものをコントロールすることに専念すれば、争いはしばしば会話に変わり、目指すものは、決勝点を取ったり敵に傷を負わせたりすることではなく、理解することになる。
もちろんコントロールすることだけが重要なわけではないが、夫婦がそれを共有していると感じられなければ、口論を終わらせたり、関係を発展させたりすることは難しい。
この考えは他の領域でも重要な意味を持つ。職場での議論やネット上での意見の対立など、どんな場面でも、自分がコントロールしたいと思うのは自然である。そしてときによって、そのような欲求から、目の前のターゲット、つまり口論の相手をコントロールしたいと思ってしまう。
相手に聞くことを強要できれば、きっと相手は私たちの言うことを聞くだろう。私たちの視点からものごとを見るように強要できれば、私たちが正しいことに同意するだろう。
しかし実際には、そのようなやり方がうまくいくことはほとんどない。無理やり相手に話を聞かせようとしたり、こちらの立場を理解させようとしたりすれば、争いが激化するだけだ。
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