「幸せ夫婦」と「別れる夫婦」が口論で見せる"主導権争い"の決定的な差異
幸せなカップルでは、コントロールしたいという欲求の表われかたがかなり違っていた。幸せなカップルは相手をコントロールしようとするのではなく、自分自身や環境、そして争いそのものをコントロールすることに意識を向ける傾向があった。
たとえば幸せなカップルは、自分たちの感情をコントロールすることに多くの時間を費やしていた。彼らは怒りが高まるのを感じると、話を中断した。
落ち着くために深呼吸をしたり、怒鳴るのではなく気持ちを書き留めたり、怒っていないときに練習した行動(「私は」という言葉で話を始める。お互い好きなことのリストを読み上げる。楽しかったときの思い出を話す)に頼ったりしていた。彼らはゆっくりと話をすることが多く、意図した以上にきつい言葉が出た場合は途中で止めることができた。
また緊張を和らげるため、話題を変えたり冗談を言ったりすることも多かった。「幸せなカップルはけんかのスピードを落とす」とカーニーは言う。
「自制心と自己認識力を大いに発揮する」
幸せなカップルは環境をコントロールすることにも意識を向けていた。衝突が起きてすぐに口論を始めるのではなく、もっと安全な状況になるまで難しい議論を先延ばしにするのだ。言い争いが午前2時という、誰もが疲れ果て赤ん坊が泣き叫んでいるときに始まるかもしれない。
しかし幸せなカップルはこのまま言い争いを続けるのではなく朝まで延期するのだ。そうすれば自分たちも体を休められ、赤ん坊も静かになる。
そして最後に、幸せなカップルは争いの範囲をコントロールする努力もしているようだ。「幸せなカップルはけんかをするとき、できるだけ争いを小さくして、他の争いにまで飛び火しないようにしている」とカーニーは言う。
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