「幸せ夫婦」と「別れる夫婦」が口論で見せる"主導権争い"の決定的な差異

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喧嘩をしている男女カップル
口論を終わらせたり、関係を発展させたりするにはどうしたらいいでしょうか(写真:bee/PIXTA)
人間同士が対立状況に陥った際、円満に解決へ向かうことも、亀裂が決定的になることもあります。何がこの差をもたらすのか、本稿では『相手の本音を引き出す会話の正解』より、一部抜粋のうえ、夫婦間の口論を例に取って解説します。

幸福なカップルと不幸なカップル

幸せな夫婦も不幸な夫婦も、口論しているときは、主導権をめぐって争っていた。夫が話す話題を制限することもあれば──「そのことを話すつもりはない!」──妻が勝手に時間を区切ることもあった──「あと5分だけあげるわ。それで終わり!」。

しかし幸福なカップルと不幸なカップルでは主導権を求める主張のしかたがまったく異なっていると、科学者たちは判断した。

不幸なカップルの場合、主導権を求める欲求は、相手を支配する試みとして表われた。「いますぐ話をやめるんだ!」録音された会話の中で、ある男性が妻に向かって叫んだ。妻は怒鳴り返した。「あなたは仕事ばかりで子どもたちを無視して、嫌なことがあったからって私たちに当たり散らすのはやめて!」。

それから彼女は自分の要求を細かく言い立てるのだが、それは彼の行動を支配しようとするものだった。「夕食までには帰ってきて。私を批判するのはやめて。たまには私にその日の出来事を聞いて」。

それから45分間、両者は互いの言葉遣い(「そんな言い方はしないで!」)、話題(「そこまでは言わないで」)、仕草(「もう一度そんな顔をしたら、自分は出ていく」)を押しつけようとした。

彼らは9カ月後に離婚した。

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