「正直、ドジャースのワールドシリーズ完全勝利は望まない」 テレビマンが吐露した本音…日本のテレビが思い描く「MLB」《最高のシナリオ》

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さらにもう1つ考えさせられたのは、複数のテレビマンが「来春のWBCのことを考えると『ドジャースにリーグチャンピオンシップシリーズあたりで敗退してほしい』という気持ちもある」と言っていたこと。

発言の背景には「WBCの独占放映権をNetflixが取得したこと」があり、ドジャースには適度に勝ち上がり、自局の数字に貢献してもらう程度にとどめてほしいという気持ちの表われでしょう。

もし今年もドジャースがワールドシリーズで勝ち、さらに世間が盛り上がるようなことがあれば、Netflixの加入者が急増してテレビ全体の視聴率に影響を及ぼすことを不安視しているのです。

また、ドジャースが勝ち進むほど多くの各国代表選手と対戦することになり、特にアメリカやドミニカなどのスター選手を認知する人々が増えるなど、WBCへの関心が高まることは必至。

つまり勝ち進むほど、ポストシーズンからWBCにつながるストーリーが構築されていくだけに、放映権のない各局のテレビマンとしては複雑な思いがあるのでしょう。

「Netflixのアシストをしている」

日本国内に目を向けても、ワールドシリーズと日本シリーズの終了後、11月15日、16日に侍ジャパンと韓国との試合が予定されています。

メジャーリーガーは出場しないものの、来春を見据えた“メンバー選考マッチ”という色合いが濃く、こちらもWBCの盛り上がりにつながるストーリーの1つ。

各日の試合はテレビ朝日とTBSのゴールデンタイムで放送され、Amazon Prime Videoでも配信されますが、どちらも「Netflixのアシストをしている」という感覚があるのかもしれません。

そんなメディアの思惑はさておき、私たち視聴者は目の前の試合に挑む選手たちを応援し、チームの勝敗や個人成績にかかわらず、ねぎらいの言葉をかけたいところです。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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