今回訪れる「ヤエスパブリック」がある八重洲エリアは、1965年に開業した日本でも有数の地下街である「八重洲地下街」があるものの、丸の内と対照的に存在感が薄かった。そこから2007年のグラントウキョウを皮切りに再開発が進み、東京ミッドタウン八重洲は2023年に開業している。
「八重洲の公共スペース」をうたうフードコート
さて、そんな東京ミッドタウン八重洲は、三井不動産の商業施設ブランド「東京ミッドタウン」として3番目に生まれたもの。2022年にバスターミナル東京八重洲が先行してオープンし、翌年3月にグランドオープンした。

三井不動産によると、同施設のコンセプトは「ジャパン・プレゼンテーション・フィールド ~日本の夢が集う街。世界の夢に育つ街~」。なかなか大層である。高層階には「ブルガリ ホテル 東京」が入居し、その下にはオフィスフロア。商業施設は地下1~地上3階に位置する。
今回のフードコート、ヤエスパブリックは2階にある。公式に「ヤエパブ」という略称があり、フードコートの中にいくつもその略称を記した看板などがある。江戸時代に庶民が使っていたという「江戸文字」のフォントが特徴的だ。

ヤエスパブリックという名前には、八重洲で働く人や訪問した人などあらゆる人を対象に「人と場所、文化が重なる。新しい八重洲の公共スペース」といった思いが込められているようだ。最近のフードコートは、ただ食事をしてもらうだけでなく、こういうコンセプトがかなり打ち出されている。
ただ、ちょっと歩くだけでそのコンセプトにはやや疑問がわいた。11~14時、ならびに17時以降は飲食物の持ち込みを禁止しており、かつアルコール類の持ち込みは終日禁止(正確には「禁止」ではなく「ご遠慮ください」と案内している)。まあ、飲食店がテナントで入居している以上仕方ないが、公共空間をうたうならもっと寛容でも良いのではないか。
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