塩分、糖分、たんぱく質以外にも、「腎臓リハビリ」では、次のようなポイントを〝新常識〟として食生活を送ることをおすすめしています。
肉は食べない方がいいのか
古い常識……腎臓が悪い人は肉は食べないほうがいい
肉にはたんぱく質が多いため、腎臓病患者向けの栄養指導では「なるべく食べないように」と言われることが少なくありません。
しかし、私は食べ方を工夫すれば、肉をガマンする必要はなくなると考えています。その工夫とは「主食のごはんを低たんぱく食品に替える」という作戦。お米のごはんにはけっこう多くのたんぱく質が含まれているのですが、このたんぱく質含有量をゼロ近くまで減らした「パックごはん」が市販されているのです。つまり、これを利用すればごはんのたんぱく質が浮いた分、肉を普通に食べられるというわけ。肉好きの方には朗報でしょうし、うまく活用すれば食事の幅がグッと広がるはずです。
古い常識……リンって何? 食事で減らすなんて聞いたこともない……
近年の研究で、普段からリンの多いものを摂っていると腎機能低下が早く進んでしまうことが分かっています。リンと言われてもピンと来ない方も多いかもしれませんが、リンは「スーパーやコンビニに並ぶ食品のほとんどに入っている」と言われるほど、多くの食べ物に含まれています。なかでも気をつけなくてはならないのが加工食品。加工食品の食品添加物に含まれている「無機リン」は体内への吸収率が非常に高く、「とくに警戒するべきリン」とされているのです。
リンが多く使われている加工食品はソーセージ、ハム、ベーコン、練り物、カップ麺、スナック菓子などなど。腎機能のいっそうの低下を防ぐには、こうした加工食品の食品添加物に的を絞って減らしていくのがおすすめなのです。
ここまで腎臓病の食事の「新しい常識」を挙げてきましたが、みなさんどうお感じでしょう。「なんだ、これを守るだけでいいのなら、別に普通と変わらない食事ができるじゃないか」ということに気づかれた方も多いのではないでしょうか。
私は、「腎臓病患者が食生活でつらいガマンや忍耐を強いられる時代はもう終わった」と考えています。常識は時代とともに変わるもの。いまはもう、「腎臓病患者も普通の人と変わらず食事をおいしく楽しめる」というように常識が変わってきているのです。
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