「腎臓寿命を延ばす」ために知っておきたい食事の常識5選 腎臓病患者が食生活でガマンする時代は終わった

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ところで、「食べ方を工夫して、必要なポイントだけ守って(少しいい加減に)食事に臨む」といっても、塩分や糖分、たんぱく質を摂る際、具体的にどのようなポイントを守っていけばいいのでしょう。

「少しゆるめ」くらいがちょうどいい

古い常識……腎臓が悪い人は塩分や糖分に神経質なくらい注意するべき

【新常識2】塩分は「みそ汁」、糖分は「甘い飲み物」をやめるだけでもいい!

塩分摂取は1日6gまでにしてください」とか「糖質の摂りすぎも禁物です」といった栄養指導を細かく守ろうとすると、日々の食事がとても「味気ないもの」になってしまいがちです。なかには、そのせいで食欲が落ちたり食事量が減ったりするケースも多く、制限を守ることにあまりに神経質になると、かえって弊害のほうが大きくなる場合もあるのです。

ただ、塩分はみそ汁や漬物をやめるだけでもかなりの量を減らすことができますし、糖分は甘い飲み物を飲む習慣をやめるだけでもびっくりするくらいの量を減らすことができます。そして、それを実行するだけで塩分や糖分の制限基準を軽くクリアできてしまうものなのです。「何かひとつをやめるだけで、あとは普通の人と同じ食事を摂れる」ということになれば、塩分や糖分の制限はグッとラクになることでしょう。

古い常識……腎臓が悪い人はたんぱく質を摂る量を減らさなきゃならない

【新常識3】たんぱく質は「減らす」のではなく「ギリギリまで摂る」が正解!

たんぱく質が代謝されてできる老廃物は腎臓に負担をかけるため、栄養指導ではたんぱく質を減らす指導が行われます。しかし、その一方、減らしすぎてたんぱく質が不足すると筋肉量が落ちてしまうことになります。当然、「じゃ、減らすのか、摂るのか、どうすりゃいいんだ」ということになりますよね。

この場合の正解は「たんぱく質は自分が摂っていい量の上限ギリギリまで摂る」という姿勢です。とくに高齢の方は「たんぱく質を摂って腎臓に負担がかかるリスク」よりも「たんぱく質を減らしすぎて筋肉量を落としてしまうリスク」のほうがずっと大きいと考えてください。

だから、「減らそう」という気持ちは捨てて、「毎食たんぱく質を摂る」というスタンスをとるべき。摂っていい量は慢性腎臓病の進行段階によって変わってきますが、その限界ギリギリのラインまで摂るようにしていくといいでしょう。「ギリギリまでできるだけ摂ろう」という意識でいると、「こんなに摂って構わないんだ」という気持ちになり、プラス思考でたんぱく質食品とつき合っていけるようになるはずです。

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