白井:学区制度はとても強固ですね。でもこの制度にもメリットはあるし、公教育のあり方を根こそぎ変えるのは難しいことです。ただ、複数の選択肢を作ることは可能だし、それはとても重要なことだと思います。不登校34万人という現状を生み出した大きな原因は、日本の教育がとにかく「選べない」という点にこそあると思うからです。
窪田:学区に限らず、学び方そのものが選べないということですね。
「自分で選ぶ」ことの大切さ
白井:フリースクールの立ち上げについて、よく「大変だったでしょう」「いろんな人がいるから、文句を言われることも多いんじゃない?」などと聞かれることがあります。フリースクールには確かに「いろんな人」がいます。学校でうまくやれなかった経験を持つ子どもや保護者も多く、一筋縄ではいかない人たちだと思われるかもしれません。
でも、文句を言われることって不思議なぐらいになかったんですよ。なぜなら、彼らは「自分で選んでここに来た」と感じられているからです。自分で選んだものは他責にできない。自分でこれを選んだという思いが、子どもに自信を与え、やり抜く力を与えるのだと思います。
(構成:鈴木絢子)
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しらい ともこ / Tomoko Shirai
1972年千葉県生まれ。4~8歳までオーストラリア・シドニーで過ごす。1995年東京大学法学部卒業。同年、松下政経塾に入塾し、教育改革をテーマに国内外の教育現場を調査。内閣府や文部科学省の委員などを歴任した後、現在は株式会社こども政策シンクタンクの代表取締役をはじめ、さまざまな団体の要職を務める。近著に『脱「学校」論:誰も取り残されない教育をつくる』(PLANETS/第二次惑星開発委員会)がある。
窪田 良
医師、医学博士、窪田製薬ホールディングスCEO
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くぼた りょう / Ryo Kubota
慶應義塾大学医学部卒業。慶應大医学部客員教授、米NASA HRP研究代表者、米シンクタンクNBR理事などを歴任。虎の門病院勤務を経て米ワシントン大学助教授。2002年創薬ベンチャー・アキュセラを創業。2016年窪田製薬ホールディングスを設立し、本社を日本に移転。アキュセラを完全子会社とし、東証マザーズに再上場。「エミクススタト塩酸塩」においてスターガルト病および糖尿病網膜症への適応を目指し、米FDAからの研究費を獲得し研究開発を進めているほか、在宅医療モニタリングデバイスや、ウェアラブル近視デバイスの研究開発を行っている。
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