神サービスを提供している中国南方航空。けれど中国系の航空会社に悪いイメージを抱いている日本人は、おそらく少なくないはずだ。たしかに中国系の航空会社はANAやJALと異なり、「お客様は神様」といった対応はしてくれない。機内食は流れ作業のようにテキパキと提供され、座席に液晶パネルが付いてないケースも多い。夜間フライトだろうが大声で会話する、中国人の乗客もゴロゴロいる。
しかし、だからこそと言うべきか……。CAさんから「ビーフorフィッシュ」を中国語で尋ねられたとき、私が「ニイハオ!ジャパン!」(本来なら「I am Japanese」とか「I don’t speak Chinese」とでもいうべきなのだろうが、筆者はTOEIC300点の英語力のためとっさの会話は単語しか出てこない)と答えると「ジャパニーズ? オー、ソーリー!」と笑顔で言われたときは、ギャップ効果で心がホッコリした。本場の中華の味が機内食で楽しめる点も含め、中国系の航空会社を私は推している。
準備不足の筆者。日本人顔負けの「おもてなし」に頭が上がらない
大阪から新疆ウイグル自治区・ウルムチ国際空港まで約12時間の移動をこなした私は、タクシーに乗って宿泊先のホテルを目指した。20分ほどの移動で、料金は37元(800円程度)。現金でピッタリ支払った。
到着したホテルには清潔感があったが、徒歩圏内に飲食店が1軒もない。そこでホテルのロビーにある自販機で、ビールとカップラーメン(あわせて約300円程度)を購入しようと思ったのだが⋯⋯なんと現金もクレジットカードも使用不可。アリペイしか使えないというオチ。
ホテルの受付のお姉さんに泣きついたところ、お姉さんの個人用アリペイで購入 → 現金を渡すという方法で、無事に夜ご飯を確保できた。ちなみに私は現金(人民元)を4000円ほど持っていたが、細かいお金をあまり持っていなかったので、お姉さんにピッタリ支払えない。そこで多めに渡そうと思ったのだが、「小銭が足りない分は私が奢るからいいわよ」と言っていただき、100円分奢ってくれた。

ホテルで爆睡、10時過ぎに起床した私は、21時発のフライトまで暇だったので、市内観光に繰り出そうとした。が、中国ではウーバータクシーが使えない。さらに宿泊先の周りには何もないため、タクシーが1台も通らない。どうしたものかとホテル前の道路でウロウロしていると、警備員のオッちゃんに中国語で話しかけられた。
私は「ニイハオ」と「謝謝」しか中国語を理解できないが、おそらく彼は「ここで待ってればいつかタクシーが通る」と教えてくれたのだと思う。座って待つためのパイプ椅子を用意していただき、2人で中国の音楽を聴きながら待つこと約20分。1台のタクシーが通りかかると、オッちゃんが手を振ってタクシーを止めてくれた。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら