「ありもしないツッコミ」に怯え≪分厚い会議資料≫を作ってしまう人を待ち受ける"残念な現実"

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大きな文字で引きつけておいて、「重要なポイントはこれです。詳細についての資料は、のちほど、メール・チャットで送ります」とやれば、「人は、完結せず、途中になってしまった事柄のほうが記憶に残りやすく、その先に興味を引かれるという効果」によって、8割近くの人が、メール・チャットを見てくれます。

この効果は、「ツァイガルニク効果」と呼ばれていて、テレビCMで、「続きはwebで」などというのも、この効果を狙っているのです。

細かい文字がびっしり、10秒で読む気をなくす資料

真面目な人ほど、懇切丁寧な資料を作ってしまいがちです。「ちゃんと、細かいところまで説明しなければ」という思いがアダとなって、かえって、「わかりづらい資料」を作ってしまうのです。

そんな資料では、1ページ目を見た瞬間に、相手は先を読む気を失います。細かい文字がびっしりと詰まって「え、これ読まなきゃいけないの?」と、げんなりしますよね。

単に読むだけではなく、大事なポイントを読み解き、自分の頭で整理するのはなかなかに疲れるものです。たとえるなら、どこに埋まっているかわからないお宝を探すようなものです。

読むほうはイライラして、読もうとすることすらやめてしまうことになってしまいます。パワーポイントの説明資料なら、先を聞く気がなくなって、まぶたがどんどん重くなる……。

資料の究極の目的は、「作ること」でも「提出すること」でもなく、「見た人を思いどおりに動かすこと」であると私は思っています。

見た人が、「これはわかりにくい」と思って、途中で興味をなくしたり、「最後まで我慢して読んだけど、結局、何をしたらいいの?」と思ったりするようでは、ただの紙くず資料になってしまいます。

そうならないためには、いったいどうしたらよいのでしょう。

ちなみに、パワーポイントの説明資料について調べた結果、78%の意思決定者は、たったの10秒で「これはわかりやすいプレゼン資料かどうか」を判断するという結果が出ています。

勝負は最初の10秒! せいぜい、最初の3行です。持ってまわった説明を続けて、最後の最後に結論がくる……と、そんな資料にお付き合いしてくれる人はまれだということです。できるだけシンプルな資料が望ましいのです。

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