慎重に検討したはずなのに…それでも「住宅ローン」で失敗してしまう人にありがちな"3つの誤解"

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ほかの対処方法として、ありきたりではありますが、あらかじめ余裕のある計画を立てることなども、効果があります。

行動経済学の知識を活用して「リスク軽減」を

金融商品全般にもいえることですが、住宅ローンの大きな特徴は「形がない」商品だということです。ゆえに、車のように乗り心地をたしかめたり、ビールのようにのど越しを味わったりすることができません。

100円のコーヒーが1000円で売れる理由、説明できますか?
『100円のコーヒーが1000円で売れる理由、説明できますか?』(アスコム)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

もう1つの大きな特徴は、「数字の組合せ」でできていることです。

住宅ローンの要素を大まかにいえば、金利、借入可能額、返済期間、諸費用などでしょう。これらの組合せで「どんな住宅ローンか」が決まります。さまざまな金融機関が住宅ローンを提供していますが、付帯サービスなどに若干の違いはあっても、基本的な要素はどれも同じです。

こういった特徴がある住宅ローンは感覚的に理解しにくく、「自分にとっていい商品を見つけにくいものだ」と認識しておくことが必要です。

また、住宅ローンを一度借りたら、利息を含めた返済額は膨大な金額になります。返済が滞るリスクがあり、人生における自由が奪われる可能性もある危険な商品です。

しかしながら、現金を持たずに家を買うためには必要不可欠です。返済の強制力が、逆に高額の支払いを可能にする側面もあります。特徴をあげていくほど、住宅ローンが特殊な商品であることがおわかりでしょう。効果は高いが副作用の危険もある、いわば劇薬のようなものと考えていいかもしれません。

この商品の「いい買い方」は、可能な限りリスクを減らすことです。借入額を正しく認識し、負担軽減の機会を逃さず、長期計画を誤らないことが必要なのです。

その際は、行動経済学における心理的バイアスの知識を活用して、自分自身の行動をチェックしてください。ローンを借りる際は、ぜひ漫然とではなく主体的に選び、関わりましょう。約30年後、無事に完済して、返済から解放される快さを味わってください。

橋本 之克 マーケティング&ブランディングディレクター

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はしもと ゆきかつ / Yukikatsu Hashimoto

1964年神奈川県生まれ。東京工業大学社会工学科卒業後、読売広告社、日本総合研究所を経て、1998年アサツー ディ・ケイ入社。環境エネルギー、金融、住宅、消費財のマーケティングや広告の戦略を策定。著書に『9割の人間は行動経済学のカモである』(経済界)などがある。寄稿・セミナー講師も多数。宅地建物取引主任者。
 

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