"次のスカーレット・ヨハンソン"はAI女優? 「歳を取らず、わがままを言わない」に揺れるハリウッド
『オッペンハイマー』で昨年のオスカーにノミネートされたエミリー・ブラントは、業界サイト「Variety」のポッドキャストで、「これはAIなんですか? すごい問題かも。恐ろしい。エージェンシーの人たち、お願いだからこれを止めて。人間のコネクションを奪わないでください」と懇願した。
配信の人気ドラマ『ポーカー・フェイス』に主演するナターシャ・リオンも、「すべての組合は、これを検討するタレントエージェンシーをボイコットしましょう」と、エージェンシーに対して警告を発信した。

また、『イン・ザ・ハイツ』の女優メリッサ・バレラは俳優仲間に向け、自分が所属するエージェンシーがその行動に出たならそのエージェンシーと契約解除しようと呼びかけた。ほかにも、トニ・コレット、ウーピー・ゴールドバーグなどが声を上げている。
AIの採用には批判されるリスクもある
彼女らの発言には、一定の効果があるはずだ。タレントエージェンシーにすれば、売り上げをもたらしてくれているこれらの俳優たちの機嫌を損ねるのは、ビジネス上、大きなリスクである(ハリウッドのエージェンシーは、タレントのギャラの10%程度をコミッションとして受け取る)。
AIに人間の職が奪われることへの恐怖はこの業界に限ったものではなく、積極的に推進したなら、俳優たちだけでなく、世間からも批判されるのは必至とも思われる。
ジェイコブ・エロルディ(『プリシラ』、『Saltburn』に出演)、真田広之などを抱えるガーシュ・エージェンシーのプレジデント、レスリー・シーバートは、「私たちは、そのエージェンシーにはなりません」と、AI俳優との契約の可能性を否定した。その一方で、シーバートは、「この件は常に浮上してきます。私たちはこれにどう正しく対応していくか、考えていかなければなりません」ともコメントしている。
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