"次のスカーレット・ヨハンソン"はAI女優? 「歳を取らず、わがままを言わない」に揺れるハリウッド
その恐ろしい可能性について語ったのは、ティリー・ノーウッドのクリエイターで、AIタレント会社「Xicoia」の創設者エリーヌ・ファン・デル・フェルデン。次のスカーレット・ヨハンソンあるいはナタリー・ポートマンと呼んだのも、このクリエイターだ。

先月下旬、彼女は、チューリッヒ国際映画祭中に開催された業界サミットで、表立っては口にしないものの、ハリウッドのスタジオやメディア会社はこのテクノロジーに強い興味を持っているのだと明かした。
「私たちは(ミーティングのために)多くの役員室に行きましたが、2月頃は相手にされませんでした。それが5月になると『あなたたちと何かをやりたいかもしれない』になり、ティリーを立ち上げると、『これは何?』と(興味を示す)反応を得ました。これからの2カ月ほどの間に、どのエージェンシーがティリーと契約するのか、発表されることでしょう」(ファン・デル・フェルデン)
AIは人間のようにわがままは言わない
AI俳優は、ギャラも安く、ホテル代、飛行機代、食費もかからず、ヘアメイクも不要。歳も取らず、病気もケガもせず、レジデュアルと呼ばれる印税(これも2年前のストライキの大きな争点だった)を払う必要もない。
仕事に遅れてくることもないし、不満も言わない。業界の変化を受けて利益率を上げるために経費の見直しをはかっているうえ、以前から大物スターのわがままに悩まされてきたスタジオや配信会社にとって魅力的なのは、言うまでもないだろう。だが、俳優たちにしたら、たまったものではない。
SAG-AFTRAは、「これは俳優ではありません。大勢のプロの役者の演技のトレーニングを受けた、コンピューターの創造物です。(演技に使える)人生経験も、感情も持ちません。人間の経験につながっていないCGの創造物を見ることに、観客は興味を持たないでしょう」と声明を発表して抗議した。
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