一方、東京ディズニーランドのある浦安市も、ディズニーランドの開園後、さらに東京湾の埋立てを進め、日の出、明海、港、千鳥、高洲などと市域面積を増やし、その土地には鉄鋼工業基地や住宅などが建設されていった。現在の市域は、1960年の埋め立て事業の開始時の約4倍にも広がっているというから驚きだ。

浦安は、千葉県内ですでに東京のベッドタウンとしての価値を高めていた船橋などよりも23区に近い地理的条件により、そのポテンシャルを高めていった。それには、大人気のテーマパーク・東京ディズニーランドがある場所だということもプラスに作用したと思われる。
浦安を襲った3.11
そうしてブランド力が高まっていた浦安を襲ったのが2011年3月11日に発生した東日本大震災だった。
東京ディズニーリゾート内では帰宅困難者は発生したものの、大きな事故はなかった。しかし、浦安市内の埋め立てにより造成された土地では液状化により水道管などのインフラが被害を受け、住宅地では長期にわたる断水でトイレなども使用不可能に。高層マンション外の仮設トイレに日夜住民が列を作るという状況がテレビニュースなどで報道された。
震災の数カ月後、舞浜地区の住宅地を訪れた私は、道路上に仮設の水道管が交錯する風景や、地表が地震により揺れ動いた結果、隣地との境が曲線状になり、元の敷地の形がわからなくなってしまっている戸建て住宅などを見て衝撃を受けた。
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