「三菱がディズニーランドを富士山麓に誘致」も…構想20年超"浦安にディズニーランドを"実現したオリエンタルランドの執念

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開園した東京ディズニーランドは、それまでの日本にはなかった“テーマパーク”であり、次々に新たなアトラクションや新規エリアが開業する、永遠に完成することのない夢の国として多くの来園者やリピーターを集め、大成功となった。

それとともに千葉県浦安市は東京ディズニーランドのある土地として全国に知られるようになった。毎年1月の成人の日、浦安市の新成人は東京ディスニーリゾートでの式典に招待されることは、テレビニュースなどでも毎度報道されている。

東京に隣接しながらも三方を海と川に囲まれた陸の孤島であったため、戦前まで大きな発展はなかった浦安の市域は、1960年に始まった東京湾の埋め立て事業により、現在その面積をなんと、当時の4倍にまで広げた。

そうして、東京23区に隣接し、東京ディズニーランドのある土地として広く印象付けられるようになった浦安は、それ以前とはまったく異なるブランド性を持つようになったのだ。

降りたらすぐ「夢の国」の舞浜駅もいいけれど…

現在、東京ディズニーリゾートのホームページで、現地へのアクセス方法を調べると、鉄道での行き方は、JR京葉線舞浜駅からの行き方しか掲載されていない。

舞浜駅前はすでに非日常性の中にあるディズニー一色の世界で、いきなりディズニーリゾートの世界に没入することができる。

しかし40年以上前の開園時、私が胸ときめかせて向かった東京ディズニーランドに到達するには、漁師町の面影のまだ残る浦安駅から路線バスに乗るしかなかった。

今それは、開園当時の東京ディズニーランドに行った者のみが知る歴史であり、味わいであったと感じる。

【参考文献】

  • ホリテーマサロン、テーマパーク研究会著『ディズニーランド 成功のDNA』(PHP研究所、2014年)
  • 堀 貞一郎著『「感動」が人を動かす』(竹井出版、1992年)
  • ディズニーファン編集部/編『東京ディズニーリゾートクロニクル40年史』(講談社、2023年)
  • 小宮 和行著『東京ディズニーランド 驚異の経営マジック』(講談社、1989年)
  • 野口 恒著『東京ディズニーランドをつくった男たち』(ぶんか社、2006年)
  • オリエンタルランド社 HP 
    https://www.olc.co.jp/ja/company/history.html
  • 浦安市 HP
    https://www.city.urayasu.lg.jp/shisei/profile/profile/1000013.html
連載
鈴木 伸子 文筆家

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すずき のぶこ / Nobuko Suzuki

1964年生まれ。東京女子大学卒業後、都市出版『東京人』編集室に勤務。1997年より副編集長。2010年退社。現在は都市、建築、鉄道、町歩き、食べ歩きをテーマに執筆・編集活動を行う。著書に『中央線をゆく、大人の町歩き: 鉄道、地形、歴史、食』『地下鉄で「昭和」の街をゆく 大人の東京散歩』(ともに河出書房新社)『シブいビル 高度成長期生まれ・東京のビルガイド』(リトル・モア)などがある。

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