ディズニー「ファストパス」導入が永遠に変えた事 アトラクションは「早い者勝ち」だったはずが

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(写真:Bertha Wang/Bloomberg)
人気アトラクションを少ない待ち時間で利用できるサービス、「ディズニー・ファストパス」は昨年の6月に終了したが(後継サービスとして「プライオリティパス」を運用中)、アトラクション運営においては画期的な一手だった。
その後ディズニーは、さまざまな短縮方法をゲストに提示するようになるが、ディズニーにとってファストパスを提供したことによる知られざる効果とは何か(本稿は『Mine! 私たちを支配する「所有」のルール』から一部抜粋・再構成してお届けします)。

ディズニーは「行列管理のエキスパート」

ディズニーは魅力的なアトラクションやショーの創作で卓越しているが、それだけではない。行列を管理することにかけてもエキスパートだ。

911テロ攻撃の後、アメリカの空港ではディズニーの従業員を招いて、保安検査の強化で果てしなく長く延びた乗客の列をどう捌いたらいいのか指南してもらったほどである。ディズニーは、世界各地にあるテーマパークで人々の待ち時間をどう管理するか、経験を重ねて知識を蓄えてきた。  

数十年にわたり、子供たちはスペースマウンテンやジャングルクルーズなどに乗るために長い列を作ってきた。混雑時には行列はひどく長くなり、数時間待ちということもめずらしくない。子供は我慢強くないが、早い者勝ちだから仕方がない。人々は手持ち無沙汰で何時間も待ち、割り込みに神経を尖らせた。

ディズニー・ファンの掲示板にはたびたびこのトピックが投稿され、厚かましく割り込んだ人と怒った順番待ちの人の殴り合いが勃発したなどと報告されたものである。

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