「高校時代は量をこなすのが正義だと思っていて、朝から晩まで何も考えず勉強していました。でも、浪人してからはダメな問題を1からちゃんと解けるようになるまでやり直すようになったのです。数学だと、なんでその解き方に至るのか思考の順序を整理し、演習で反復して身につけることを意識しました。こうした当たり前の習慣が、浪人でやっと身についたと思います」
こうして川﨑さんは目指してきた東大理Iを受験。滑り止めには早稲田大学、慶應義塾大学、東京理科大学、後期で千葉大学の建築系の学部学科を受験しました。
合格最低点から5点差で東大に落ちる
今年がラストチャンスだというプレッシャーは彼自身をも追い込んでいたようで、センター試験のときには、「物理の時間のときに気持ち悪くなって試験中にトイレに行った」と語る川﨑さん。センター試験自体も前年より難化したようですが、全体の得点率は85%で粘り、万全を期して2次試験に臨むことになりました。
「浪人しているので東大に行きたいという気持ちは強かった」と語るも、結果は無情にも合格最低点より5点足りず不合格。併願で受験した慶應、東京理科大、明治大には合格し、慶應に進学することを決意しました。

「得点開示の結果が惜しかったのが割と悔しくて、慶應に入学して最初の半年くらいは学歴コンプレックスを引きずりました。慶應と千葉大のどちらに行くかは悩みましたが、自分の性格的に都心の華やかな世界に対する憧れがあったので慶應を選び、後期の千葉大は受験しませんでした」
奨学金を借りて、足りない分は自分で払うという約束で千葉大より学費の高い慶應に入った川﨑さん。浪人して良かったことを聞いたところ、「物事を順序立てて計画的に考えられるようになった」「一人で考える習慣が身についた」、頑張れた理由については「浪人の1年間は修業期間と割り切り、とにかく結果を出すことだけを使命に勉強に打ち込めたから」と答えてくれました。
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