10月1日「外免切替」が厳格化!約40カ国走ってきた筆者が「海外での運転」考える

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アルファベット文化の国の人が、漢字とひらがなだらけの日本で運転するには苦労をするかもしれないが、行き先表示にはアルファベット字が併記されていることが多いし、いくつかの特殊な標識だけ覚えていつも以上の慎重な運転を心がければ、それほど危険はないと思われる。

モロッコの高速道路の標識もアラビア語とアルファベットが併記されていた(筆者撮影)

もちろん、今まで述べてきたのは、回数を重ねて海外の運転に慣れてきた筆者の感覚であり、初めて海外の道路を走るときに一層の注意を払う必要があることはいうまでもない。

筆者の逆を考えれば、海外の人が日本で運転する場合も、言葉や通行帯の左右逆転などのハンディ、そして交通規則の細かな違いはあるにしても、自国で一定の運転の経験があれば日本でも迷惑をかけず安全にドライブが可能であるといえる。

インバウンドとの向き合い方が求められる

とはいえ、インバウンドの増加、レンタカーを借りる外国人観光客の増加により、不慣れや不注意による事故、マナー違反などによる迷惑行為が増加していることもたしかだ。

実際、山梨県警の調べで、富士五湖周辺で外国人の乗るレンタカーの事故件数増がわかっている。

話が細かくなってしまったが、日本がジュネーブ交通条約に加盟している以上、同条約加盟国の外国人が国際運転免許証でレンタカーを借りることを止めることはできない。

だからこそ、外国人観光客によるレンタカーの事故が少なくないことを伝えたうえで、すでにいくつかのレンタカー会社で取り組んでいるように、重要な標識の読み方や駐車のマナーなどのチェックアウト時の周知はより徹底すべきである。

日本へのインバウンドは、国が拡大の方針を取り続ける限り、そして円安傾向が続き、コロナ禍や震災のような災厄がない限り、今後も増加していく可能性が高い。

こうした中で、彼らの運転とどう向き合うか、これからも地域住民が不安を抱かないよう適切な対応が求められよう。

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佐滝 剛弘 城西国際大学教授

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さたき よしひろ / Yoshihiro Sataki

1960年愛知県生まれ。東京大学教養学部教養学科(人文地理)卒業。NHK勤務を経て、高崎経済大学特任教授、京都光華女子大学教授を歴任し、現職。『旅する前の「世界遺産」』(文春新書)、『郵便局を訪ねて1万局』(光文社新書)、『日本のシルクロード――富岡製糸場と絹産業遺産群』(中公新書ラクレ)など。2019年7月に『観光公害』(祥伝社新書)を上梓。

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