商品開発とは「消費者が買いたいと思うものを作る」この1点です。あなたのエゴではなく、すべては消費者のためなのです。
パティシエは「甘いミカン」を使わない
他の業種、他の産業を観察することも、とても大切です。むしろ同じ業界ばかりを見ているようでは、発展はありません。
以前、パティシエ協会の会合に参加したときのこと。そこにはミカン農家のみなさんも参加しており、彼らが作ったミカンの試食会が始まりました。
「うちのミカンはとても糖度が高い、ぜひあなたのお店で使ってもらいたい」
ミカン農家からパティシエに売り込みが始まりました。しかしパティシエさんはこう答えました。
「生食ではこのミカンはたしかに美味しい。でも、申し訳ないが、ケーキやスイーツには使えない」
農家の皆さん、これにはとてもびっくりした様子。
「なんでや? こんなに糖度が高くておいしいのに」
「そこが問題なのです。糖度が高すぎるとスイーツの素材としては使いにくいのです。甘さはあとでいかようにも調整できる。それよりもミカンとしての酸味や香りなどが欲しいのです。甘すぎると他の素材の邪魔になる」
自分たちがいいと思うものも、人や場所、使い方、業界、そして地域や国が違えば通用しないこともあります。あなたが買ってもらいたい相手が何を求めているのか。これをよく観察することの重要性がわかるエピソードです。

