「ハリウッドも同じ?」親の七光りに直面する"二世俳優"の特権と苦悩

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ミラ・ジョヴォヴィッチとポール・W・S・アンダーソン監督の娘エヴァー・アンダーソンの映画デビューは、両親が組む『バイオハザード:ザ・ファイナル』だ。

だが、ジョヴォヴィッチは「プロデューサーが娘の演技を見て決めた」と言っているし、前述の『ロスト・バス』に実の息子を出したマコノヒーも、息子リーヴァイはわざわざラストネームを変えてオーディション映像を録画したうえで監督に認められたのだと主張している。

「親の七光り」と言われるのはわが子のキャリアにとってマイナスだし、わが子を特別扱いしたとあれば、自分も恥ずかしいからだろう。だが、親がそんな配慮をしても、「nepo baby」であることに変わりはない。それは本人たちが誰よりもわかっている。

ケイト・ハドソン(ゴールディ・ホーンの娘)は、『あの頃ペニー・レインと』で注目された後の筆者とのインタビューで、親が有名だと色眼鏡で見られる。ほかの俳優よりずっとよい演技をしてみせてはじめてまともに見てもらえる」と述べていた。

メグ・ライアンも、息子が「nepo baby」と呼ばれることについて、「ジャックは自分が恵まれていると知っているし、繊細なタイプなので、そういうことは言わないで」とコメントしている。

トム・ハンクスの息子は父をどう思う?

インタビューのたびに親の名が出るのも、本心では嬉しくないかもしれない。コリン・ハンクスは、筆者も参加した過去のグループインタビューで、「僕の父は多くの人ができないことを達成したのだし、それはしかたない」と、受け入れる答えをしていた。

もちろん、そのプレッシャーを乗り越えた人たちもいる。

ジェイミー・リー・カーティスは、2023年の映画俳優組合賞の受賞スピーチで、父トニー・カーティスのつながりでテレビドラマデビューを果たした「nepo baby」だと自虐的なジョークを飛ばしつつ、そのドラマをクビになったせいで出演した低予算ホラー映画『ハロウィン』を得たというルーツを振り返った。

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