「ハリウッドも同じ?」親の七光りに直面する"二世俳優"の特権と苦悩
こういう人たちが話題作に出るたびに、親が誰かは必然的に話題に上がる。世間からやや皮肉な目で見られがちというのは現実で、アメリカでは「nepo baby」という言葉まである(『nepo』は『nepotism(縁故採用)』の略)。
本人たちは腹が立つかもしれないが、テレビや映画に出るという、多くの人があこがれる仕事を楽に手に入れたのだから、しかたがない。

二世は映画俳優組合にも労なく入れる
ハリウッドに何の縁もない人にとっては、映画俳優組合(SAG-AFTRA)に加入させてもらうだけでも、ものすごく大変なことだ(この組合の会員でなければ映画やテレビの役を得ることはできないが、映画やテレビの役を得られなければ組合に入れないというジレンマがある)。
俳優を目指す人は、エキストラの仕事を長い間多数こなす中で担当者に顔を覚えてもらったり、運よくせりふをもらえたりなどして、ようやく加入への道を得るのである。
だが、有名俳優の子供は、親が出る映画に子役で出ることになり、そのために物心もつかないうちにSAG-AFTRAに入れたりする。仕事のない時期がほとんどの俳優にはきついかもしれない年会費も、親が払ってくれる。
親に連れられて子供の頃から現場で時間を過ごしているから、撮影の状況も自然に学ぶし、知り合いもでき、次につながったりもする。
故フィリップ・シーモア・ホフマンの息子クーパー・ホフマンなどは、演技経験がゼロだったにもかかわらず、父が何度も組んだ名監督ポール・トーマス・アンダーソンから『リコリス・ピザ』の主演に起用された。
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