"食が細くなってきた中高年"がすぐに卒業するべき「しっかり食べること=健康」という【思い込み】
認知症の方の場合は、この摂食拒否が「叫ぶ」「手を振り払う」「口を閉ざす」などのBPSD(行動・心理症状)として現れてきます。
健康は、「たくさん食べる」ことだけではつくれないのです。ここでは、無理をした代償にどんなことが降りかかる可能性があるのか、さらに詳しく見ていきましょう。
●消化不良を起こす
食べられる以上の量を無理に詰め込むと、胃酸の分泌が追いつかなかったり、胃の動きが鈍くなったりして、胃に停滞しやすくなります。その結果、胃もたれ、胸やけ、腹部の不快感、吐き気などの症状が出やすくなります。
●腸内環境が乱れる
無理に詰め込んだ食べ物は、胃でよく消化されないまま腸に送られることになります。すると、腸内細菌のバランスが乱れたり、腸壁に負担がかかったりして、下痢や便秘の原因になります。
●自律神経が乱れる
自律神経とは、リラックス状態と活動状態を切り替える、体のシステムです。無理な食事で体にストレスがかかると、この自律神経のバランスが崩れ、食欲不振がさらに悪化したり、全身のだるさを感じたりすることがあります。
また、腸の運動(ぜん動運動)は自律神経に支配されています。ストレスが多いときは腸の運動が抑制され、さらに食欲が低下します。
●精神的なストレスがかかる
「食べなきゃ」という強迫観念がつきまとうと、食事が「楽しみ」から「義務」に変わり、ストレスになってしまいます。すると食欲不振が悪化するほか、脳と腸はお互いに密接に影響を及ぼし合う(脳腸相関といいます)ため、胃腸の働きが鈍って消化不良や吸収力の低下を起こすこともあります。
食べたいときに食べると、消化が活発になる
少食さんにおすすめなのは「お腹が空いたら食べる」という、自然な食欲にまかせた食べ方です。「食べたいな」「おいしそうだな」と感じたときに食べるほうが、唾液の分泌も消化も活発に行われます。
ですから、1日3食という習慣に縛られず、自分が食べたいタイミングで食べてもかまいません。また、「残したら悪い」と気にして無理をするのではなく、食べられる量にとどめたほうが体調のためといえます。
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