続いて、大根おろしたっぷりで出汁のきいたつゆにつけると、これまた天ぷらの味わいを引き立てる。創業当時、天つゆは薄口醤油で作るあっさりしたものが主流だったが、ご飯に合うように濃いつゆにしたのだそう。味噌汁はコクのある白味噌で、ご飯もふっくらとして文句なくおいしい。
それから、1品ずつトレイに入れられる。次にきた「海老」は大ぶりでプリプリとして食べ応え十分。インドネシアの専用の養殖場で生産している、同店自慢の一品だ。

続いては「豚」。豚肉の天ぷらは全国的に珍しいが、社長が知り合いの肉屋に「いい肉があるから使ってみて」と提案され、試したところおいしかったのでメニューに入れたとのこと。著者はここで初めて食べた豚天のおいしさにいたく感動して、それからは豚が入ったお好み定食一択だ。

続いて、「野菜3種」のカボチャ、ナス、ピーマンが順に運ばれてきた。カボチャはホクホクとして優しい甘さが口に広がり、厚切りのナスでさっぱりしたら、肉厚なピーマンのジューシーさと苦みでご飯がすすむ。

最後に出てきたのは「いか」だ。いか天は噛み切れないほど硬いものもあるが、同店のいかは驚くほど柔らかく、しっとりとして、いか本来のうま味を感じられる。最後の一品なので、天つゆをたっぷりつけて、残りのご飯と一緒にゆっくり味わった。


素材のよさが人気の理由
ひらおの天ぷらがソウルフードと言われるほど人気になったのは、厳選した素材のよさが抜群だからだろう。野菜と米は国産中心で、魚介類は市場や漁師から直接仕入れることを基本としている。というのも、もともと先代が空港近くの東平尾で1977年に鮮魚・青果・精肉の生鮮3部門をそろえた「河内商店」を開店したのが始まりだから。
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