回転寿司チェーンはなぜ、うどん・ラーメンにこだわるのか?「こだわり讃岐うどん」発売の「くら寿司」に聞く

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「くら寿司」は芯までの水分到達に時間がかかる極太麺であり、かつ、茹で上がり後に麺が伸びないよう、熟成時間を長めにとっているとのこと。

一定の太さ・熟成の手間によって、釜揚げうどんの持ち味である「モチモチ食感」と、「釜揚げうどん」だと失われがちな「麺の伸び・コシ」を両立できている麺ではないか?……そう考えると、よく計算されている。

「かに白湯らーめん」
くら寿司の新商品「かに白湯らーめん」(筆者撮影)

また、釜揚げのつけ出汁の薫りが、驚くほどよかったことも見逃せない。片手間でうどんを出す店だと「だしパック」などで対応する店も多い中、「くら寿司」では昆布・かつお節などの素材から出汁を取っているとのこと。ほか、ラーメンも店内でとった出汁を使用しているそうだ。

ただし、「讃岐うどん」として考えると、出汁のイリコ風味の薄さなど、一定の不満は残る。それでも、回転寿司店で釜から揚げたて・モチモチの釜揚げうどんを食べることができるのはサプライズであり、食した限りではしっかり及第点!な出来であった。

「くら寿司」は、釜揚げうどん一つとっても「タイミングを合わせて釜から揚げ、サッと提供」「出汁は素材から取る」というひと手間を、惜しまずにとっているようだ。お寿司を提供しながら、一定のタイミングで揚げて提供、といった手間がかかる「釜揚げうどん」「釜玉うどん」、ラーメンなどを並行して作る……客側は美味しいからいいようなものの、現場のオペレーションの大変さがうかがえる。

なぜ、回転寿司店がここまで、うどん・ラーメンにこだわるのか?「くら寿司」広報の方に、いろいろとお話を伺ってみた。

回転寿司店のうどん・ラーメンは「広くお客様に喜んでいただくため」

オーダーレーンを流れるお寿司
オーダーレーンを流れるお寿司(筆者撮影)

「くら寿司」広報の方によると、同社の店舗は小さな子供連れのファミリーや、グループで食事を楽しむ方も多い。そうなると、生魚がメインの寿司を食べられない人々もおり、こういった人々のためにも、ラーメン・うどんやケーキ、おつまみなどの多様なメニューを取り揃えることで、様々なお客様のニーズに応えられるという。

そして、「くら寿司」が掲げているのは「専門店を超える味の追求」。うどん店・ラーメン店などに行かずとも、「くら寿司」に行けばまとめて満足できるようなサイドメニューを充実させている。

また、サッとお腹を満たしたいランチ利用でもうどん・ラーメンは人気で、「お寿司と一緒に楽しめるほどよい分量というのもポイント」だという。回転寿司店で手ごろな麺類があれば、「うどん・ラーメン+お寿司」の組み合わせをカスタマイズできるようなもの。お寿司屋さんなのに麺類が本格的で美味しいと、ちょっと得した気分になるだろう。

留め具付き容器
うどんを高速レーンで運ぶために、留め具付き容器で固定している(筆者撮影)
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