回転寿司チェーンはなぜ、うどん・ラーメンにこだわるのか?「こだわり讃岐うどん」発売の「くら寿司」に聞く
後から頼んだ釜玉うどんも、麺の表面のヌルヌルが卵黄と絡み、「うどん版カルボナーラ」のようなしっかりした旨みを形成していた。こちらも、まごうことなく「釜玉うどん」だ。
退店後に「くら寿司」広報の方にお話を伺ったところ、該当商品は釜で茹でた麺を水で締めずに提供しており、一般的な「釜揚げうどん」で間違いないそうだ。また、別ルートで筆者知り合いのうどん店店主に聞いたところ「釜揚げでも、お湯に溶け出すデンプン質が少ない時間帯(朝一番など)は、泡が出ない」とのこと。このあと「くら寿司」様に「疑ってすいませんでした!」とお詫びしたことは言うまでもない。
くら寿司の「讃岐うどん」は、超・極太麺!



「くら寿司」が3年をかけて開発した「こだわりの讃岐うどん」の実力を検証してみよう。ここからは「経済誌のライターがチェーン店の商品力を検証」というより「全国47都道府県のご当地うどんを食べ歩いたマニアの目線」が入ることを、ご了承いただきたい。
同社のプレスリリースによると、くら寿司の讃岐うどんは3年をかけて開発した「伸びにくく、コシのある極太麺」であるようだ。前のフェア期間(9月4日まで)に提供されていた「ベーコン天釜玉うどん」の麺と、太さを比較してみよう。
「くら寿司」の極太麺をじっくりと試食した限り、釜揚げ特有のモチモチとした食感や、小麦粉の旨みがしっかりと味わえる逸品であった。手で引っ張ると2~3割は伸びるほどに弾力があり、数本の麺を10分ほど置いて食べても、まだ食感が残っている。この麵は「寿司→うどん→寿司→うどん」といった順番で食べることもある回転寿司屋ならではの「時間が経っても美味しい」という特徴を持っているようだ。
そして極太麺の断面を肉眼で見る限り、表面は十分に水を吸ってモチモチ、中心部はほんのりと吸水している状態だ。うどんに限らず麺類のコシは、物理的な「水分勾配」(パスタでいう「アルデンテ」状態)によってコシが保たれ、この水分が平均的になると、麺の食感はなくなってしまう。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら