日本板硝子のトップ交代はサプライズなし、“日本流”の順当な跡目相続

吉川氏が1度は社長をやらないかと打診されたのは、初代の外国人社長兼CEO、スチュアート・チェンバース氏が「家族と過ごす時間を優先したい」という一身上の理由で突如退任した時期のことを指す。チェンバース氏の在任期間は、2008年6月から2009年9月なので、その後半期間だろう。ただ、当時は「言葉の壁やビジネス習慣の壁を前につらい思いをしたし、正直無理だと考えた」(吉川氏)と、固辞した。

日本板硝子は、旧ピルキントンを含めて社内に、吉川氏に代わって、リリーフ登板にふわさしい人材をあてがわなければならない。そこで、藤本氏が1年弱だけ社長に復帰。この間に「(経営統治体制にある)指名委員会が多くの候補者を面接してネイラー氏を選んだ」(藤本氏)。

ネイラー氏は、デュポン生え抜きで、アジア太平洋地区担当(中国)や、電子・情報技術部門担当(米国)の上席副社長を務めた米国人。40歳前後は、日本で自動車関連担当として活躍した経験もあった。現場とのコミュニケーションを重んじる気さくな人柄で、お堅い日英のガラス名門同士の組み合わせに、米国人特有の陽気さで新風を吹き込み、融和が進むと期待を集めた。

欧州販売不振で戦略遂行の目算狂う
 
 思い起こせば、ネイラー氏は就任するやいなや、その笑顔をこわばらせる厳しい経営環境の渦に巻き込まれた。売上高の4割を占める主戦場の欧州で起きたギリシャ債務危機の広がりによる経済不況だ。

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