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人気フォント『貂明朝』や『百千鳥』はこうして生まれた! スマホやPCの文字をイチから手作り、敏腕タイプフェイスデザイナーが紡ぐ"ロマン"

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1997年にアドビに入社して以来、西塚さんがこれまで手がけてきたフォントファミリーは7つ。それぞれに誕生の物語があります。

「数こそ多くないけれど、技術をふんだんに取り込んだ特殊なものばかり作っている」と話す彼女が生み出した、代表的な2つについてのエピソードを伺いました。

『貂明朝』と『百千鳥』、人気フォントができるまで

まず1つ目は、2017年にリリースされた『貂明朝(てんみんちょう)』。伝統的な明朝体の骨格を持ちながら、どこか生き物のような温かみと、ふっくらとした可愛らしさが同居する書体です。鳥獣戯画や妖怪百鬼などから着想を得た “可愛くも妖しい” というコンセプトに合致したこのフォントは、「個性的かつ使いやすい」と早くから評判でした。

「ロゴの一部を手伝った小説『御命授天纏佐左目谷行(ごめいさずかりてんてんささめがやつゆき)』(著:日和聡子/装丁:名久井直子)も大きなきっかけとなりました。フォント名は、小説の名前にある“てんてん”の音と、強力な妖怪になると言われている動物『貂』を合わせたものです。

通常の明朝体よりも横線が少し太めで、凛とした佇まいのなかに、親しみやすさが感じられるデザインを意識しました」

イタチ科の「テン」をモチーフに生み出された『貂明朝』には多くのファンがいます(写真:本人提供)

そして2025年2月、アドビは『百千鳥(ももちどり)』という、これまでの常識を覆すようなフォントを発表しました。構想から実に15年もの歳月をかけて生み出した、西塚さん渾身の作です。

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