熱中症対策で「塩分摂取は必要」と考える人の盲点。医学会では「摂らなくていい」との助言も…「正しいのはどっち?」専門家に聞いてみた

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「気になる方は血圧計で測ってみて、いつもの血圧とどう違っているか確認されるといいでしょう。血圧計は、最近ではスポーツジムや地域のコミュニティセンターなど、さまざまな場所に置いてあるので、気軽に測れると思います」と森田さん。

この夏に一時的に塩分を摂りすぎたからといって、それだけでいきなり高血圧症になることはないそうだ。また、塩分に対する感受性は個人差も大きく、最近では“塩分摂り過ぎ=高血圧”だけではないという考え方も出てきている。

だが、習慣的に塩分を摂りすぎている状態が続けば、高血圧の発症のリスクが高まるのは事実なので、これを機に熱中症対策の仕方を改めるといいかもしれない。

もちろん、血圧の高さを指摘されている人や現在、降圧薬などの薬を飲んでいる人は、かかりつけ医への受診の際に血圧が上がっていないか、それが熱中症対策による塩分摂取過剰の影響なのかどうかを、医師に相談してほしいとのことだ。

水分量は「尿」の色でチェック

最後に、1日当たりの水分補給量についても森田さんに聞いた。

「私たちが必要な水分は、1日2~2.5リットルで、半分の1リットルぐらいは食事から摂っているとされています。通常であれば、1.2リットルぐらいの水やお茶などによる水分摂取が必要になります。

ただ、今年のような酷暑のときは、思った以上に汗をかいていたりして脱水状態になりやすいので、通常の水分補給では足りなくなる可能性があります。普段よりも少し多めに、例えば1日1.5~2リットルを目安に水分補給をするといいでしょう」

水分が足りているかどうかは尿の色でもわかることがある。いつもより濃い尿が出ている場合は水分が不足している可能性が高いので、意識して多めに水分を摂取したほうがいいそうだ。

暑さが一段落するまであと少し。正しい知識で熱中症対策を行っていこう。

井上 志津 ライター

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いのうえ しづ / Shizu Inoue

東京都生まれ。国際基督教大卒。1992年から2020年まで毎日新聞記者。現在、夕刊フジ、週刊エコノミストなどに執筆。福祉送迎バスの添乗員も務める。WOWOWシナリオ大賞優秀賞受賞。著書に『仕事もしたい 赤ちゃんもほしい 新聞記者の出産と育児の日記』(草思社)。

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