熱中症対策で「塩分摂取は必要」と考える人の盲点。医学会では「摂らなくていい」との助言も…「正しいのはどっち?」専門家に聞いてみた
環境省の熱中症予防情報サイトには、「こまめな休憩や水分補給・塩分補給をしましょう」とあるし、一般財団法人日本気象協会の「熱中症ゼロへ」にも、「熱中症対策のポイントは、水分補給だけでなく塩分補給!」とある。ここでは「自分で手軽に作れる食塩水もよいでしょう」と食塩水を飲むことも勧めているほどだ。

こうしたメッセージを受けて、水分と一緒に、塩分入りのタブレットや塩あめ、塩こんぶなどを意識的に摂取していた人も多いと思う。
60代の男性Aさんもその1人。熱中症予防のためタブレットを頻繁に摂っていたところ、持病の高血圧が悪化。かかりつけ医から「塩分の摂りすぎ」を指摘されたという。
塩分を増やす必要はない?
実をいうと、熱中症対策として塩分を摂ったほうがいいかどうかについて、「摂らない」ことを推奨している組織もある。
それが日本高血圧学会で、先月4日、「2025年猛暑の夏における水分と塩分の取り方について~熱中症を防ぎ、血圧を健康に保つために~」という注意喚起文をホームページ上で発表した。
ここには「大量に汗をかいた場合でも、普通の食事を取っていれば塩分を増やす必要はありません」とある。

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