【9月12日正式発売、ベーシックグレードは269万9400円】航続距離295km達成、ホンダの新型「N-ONE e:」で軽乗用EVの未来を占う

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そんな背景のなか、ホンダ軽EVの第1弾となったのがN-VAN e:。今回の新型N-ONE e:は、その第2弾かつ乗用タイプでは同社初となる。ベースには、ガソリン車のN-ONEを採用。今や日本一売れている軽スーパーハイトワゴン「N-BOX」を擁するホンダ「Nシリーズ」に属する軽トールワゴンだ。兄弟車には、N-BOXのほかに、同じ軽トールワゴンの「N-WGN」、軽商用車の「N-VAN」など全4タイプを用意。なかでもN-ONEは、1960年代に大ヒットした名車「N360」をイメージしたレトロで愛らしいデザインや、軽トールワゴンとしては低めの全高などによる軽快で安定した走りなどが特徴だ。

手軽な軽EVから普及を促進

N-ONE e:のスタイリング
N-ONE e:のスタイリング(写真:三木 宏章)

ホンダによれば、そんなN-ONEのEV版といえるN-ONE e:も、名車N360のコンセプトなどを継承している。60年代の高度経済成長期に生まれ、自家用車の急速な普及に貢献したクルマがN360。当時、多くのユーザーにとって「手が届く国民車」という存在だった。その血統を受け継ぐN-ONE e:も、BEVの普及を目指す現代において、「手が届く軽EV」となるよう開発を行ったという。

ユーザーのメインターゲットは、ガソリン車のN-ONEでも所有者の多い40代~50代の女性層。日々の買い物や通勤など、短距離移動でクルマを使うことの多い層だ。とくに車体の小さな軽自動車規格のBEVの場合、搭載バッテリーの容量に限りがあるため、1回の満充電で走行できる距離もおのずと短くなる。そういった点で、軽EVの場合は、街乗りなど普段使いを主とする顧客層をメインに据えるのは妥当といえる。

N-ONE e:のリアビュー
N-ONE e:のリアビュー(写真:三木 宏章)

なお、「手が届きやすい」といえば価格も気になるところだが、新型は車両本体価格(税込み)で269万9400円~319万8800円。近年は、ガソリン車の軽自動車でも200万円を超える機種が増えている。だが、それらと比べても、200万円台中盤から300万円台というのは、やはり高い印象が否めない。ただし、後述する国や自治体の補助金があり、それらを活用すれば比較的リーズナブルに取得できる価格帯にはなっているといえるだろう。

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