怒りを我慢する人が陥る「自分を見失うリスク」。ネガティブな感情は表に出してはいけないと考える「いい人」ほど人生が苦しくなる理由

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服を握った人物の手元
「怒り」は抑圧されがちですが、どんな感情も生きるために必要なものです(写真:photok/PIXTA)
生きづらさを感じる要因の1つは、自分を抑圧して周囲の環境に適応しすぎた結果として、自分を見失うことにあります。もし今あなたが何らかの生きづらさを感じているのであれば、まずは自分を再確認していく必要があるでしょう。特に「怒り」は我慢して抑圧されがちな感情です。『心を病む力』(東洋経済新報社)の著者である上谷実礼氏が、自分の感情を大切にすべき理由と正しく「怒り」を表出するヒントを解説する。

すべての感情には意味がある

現代社会において感情や感覚はとかく軽視されがちですが、私たちが感じる感情や感覚はすべて必要があって生まれているものです。

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群れをつくって子育てをするには「愛おしいな」「一緒にいて安心するな」といった感情が必要でした。だから哺乳類に感情が生まれたのです。 卵を産んだら産みっぱなしで、子育てをしないは虫類には、感情は必要ありません。感情は哺乳類としての私たちの生存に有利だから備わっているのであり、ポジティブなものもネガティブなものもありません。どんな感情も大事で、意味があります。

例えば「怒り」は、目を逸らしたい感情の代表格ですが、「自分にとって大事なものが攻撃されている」ことを示す大事な感情です。怒りの感情をないがしろにする人は、“いい人”のフリをして理不尽なことをたくさん受け入れてしまっているかもしれません。

「悲しみ」という感情はどうでしょうか。自分にとって大切なものを失くした喪失感を伝えてくれる感情です。怒りと悲しみはとても近い感情と言われていて、自分にとって大切なものが他者に奪われたとしたら、それは怒りになります。

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