夫亡き日々の暮らし。新宿「思い出横丁」でくらたまが見た"光景"と、友人の「将来の夢」に「自分はこれからどう生きよう」とふと考えた夜

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大ぶりのしいたけを焼いている串焼きの店。ミカンは鋭い目つきで店内にあるビールの銘柄を確認し、「うん、いいね」と入り口付近のカウンターに座りました。

ここではきゅうりの茗荷あえ、なめろう、山芋をツマミに、ミカンの「瀬戸内海移住計画」について話を聞きました。彼女の夢は移住で、この夏も瀬戸内のとある県の宿で2週間ほど過ごしていました。

「将来の夢を語る友人」と私

宿といっても客としてではなく、布団の上げ下ろしや掃除など簡単な手伝いをする代わりに、宿代なしで泊めてもらうというものです。「毎日のように、わな猟で獲れたイノシシ肉を食べた」と、わなにはまったイノシシの写真など見せてもらいました。

ミカンが移住したら、そのとき私はどうしてるだろう。

同い年の私とミカン。50代半ば、老後の生活、第二の生活を考えてもいい年齢です。

夫が存命中は、何となくこのまま夫と今の家で今のような生活が続くんだろうなと思っていました。でも、それが叶わなくなってしまった。これからをどう生きようか。自分自身の身の振り方について、私はまだ闇の中にいます。

早めにお会計をして、3軒目はまたミカン行きつけの店へ。ミカンが一番好きな赤い星のビールがある店です。ここでは「今年は出来がいい」といわれるサンマの塩焼きを食べました。確かに大ぶりです。

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「内臓、もらっていい?」

と、ミカンが箸で内臓をさらっていこうとしたので、

「私も好きだから!半分こにしよ」

と、慌てて止めました。こういうことにお互い遠慮がないのは、気楽でいいものです。酔いが回り「今からラーメン食べいこう!」と騒ぐミカンをなだめ、帰途に就きました。

漫画ページに続きます。
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