夫亡き日々の暮らし。新宿「思い出横丁」でくらたまが見た"光景"と、友人の「将来の夢」に「自分はこれからどう生きよう」とふと考えた夜

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串焼きのうなぎ。部位はわからない(写真:倉田さん提供)

カウンターには私たちのほかに1人で飲んでいる年配の男性が2人。1人は卓上に据えてある梅シロップを入れて、焼酎を飲んでいるよう。インバウンド人気で満席で入れないことを危惧しながら来ましたが、席には余裕がありました。

おそらく理由の1つは、クーラーがないこと。

壁もドアもなく、路地とは暖簾で仕切られただけの店舗。クーラーはたとえつけても意味がないでしょう。

うなぎを心ゆくまで堪能

9月とはいえ真夏の暑さだったこの日、私とミカンは吹き出す汗もそのままに串をやっつけていきました。炭火の焼き台で串を焼く店主も汗だくだく。確かにこの暑さに怖気づく人がいても不思議ではありませんが、これがかえって趣深いなとも感じました。

一通りが終わり、表のメニューにはない「マル」という頭のちょっと下の部分を、常連であるミカンが頼んで焼いてもらいました。

コリッコリの歯応え。うな重やうな丼じゃなくても、うなぎを心ゆくまで堪能できました。まさに人生初のうなぎ体験、1人3500円くらいの会計をして店を出ました。

さて、次はどうしようか……と、ウロウロ狭い路地を歩きます。すれ違う人の半分以上は外国からの観光客っぽい人たちで、団体客も少なくありません。

「ここ、よさそうじゃない?」

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