限定29台の特別なランボルギーニ「フェノメノ」が作られた背景には「クンタッチ」のDNAがあった
ただし、フェノメノがデザイナーの“作品”に終わっていないのは、ボルケルト氏のスポーツカーにかける情熱ゆえだ。
「クルマに乗り込んで、スターターボタンを押してエンジンをかける瞬間は、本当にワクワクします。そのため、ランボルギーニでは、赤いフラップを開けて押すスターターボタンを大事にしています」

そしてボルケルト氏は、「絶対に失いたくないものがあります」と話す。
「Feel Like A Pilotと定義しているコクピットです。航空機のパイロットのような気分で乗っていられるためのデザインです」
そのために、デジタルな表示と物理的な操作類をうまく組み合わせるのが、ランボルギーニ・デザインなのだそうだ。スターターボタンは一例。
テメラリオのステアリングホイールにも、ドライブモードを切り替えるダイヤルが設けられている。

あえて小さく作ったようなダイヤルを指でつまむようにして回す。そこに操縦している楽しみがあるのは事実。
フェラーリも、いままた物理的な操作系を復活させている。
コスト節約の一助にもなるコクピットのデジタライゼーションをあえて削減できるのは、プレミアムブランドゆえだろう。
「境界線を越えてはならない」デザイン
フェノメノは、従来のランボルギーニ車の総決算的なモデルなのか、これからの方向性を指し示すモデルなのか。
「ランボルギーニらしい、といえるシルエットを持っています。これは大事なことですが、そこには常に新しいデザインランゲージがあります」
ボルケルト氏はそう答えてくれた。

「新しいデザインランゲージは、ランボルギーニの境界線を越えるものであってはならないと心がけています。でも古いものを繰り返すのもいけない」
フェノメノのデザインをひとことで表現すると「ハイパーエレガント」だとボルケルト氏は言う。

プロダクトの説明をするときのいかにも楽しそうな口ぶりが、ボルケルト氏の持ち味。フェノメノについても同様だった。なお、フェノメノは限定29台のみが生産されるという。
全長×全幅×全高:5014mm×2076mm×1161mm
ホイールベース:2779mm
パワートレイン: V型12気筒6498ccエンジン+3モーター・プラグインハイブリッド
変速機:8段DCT(デュアルクラッチ・トランスミッション)
駆動方式:全輪駆動
システム最高出力:1080CV(約794kW)/9250rpm
最大トルク:725Nm/6750rpm
0-100km/h加速:2.4秒
乗車定員:2名
価格:未公表
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