限定29台の特別なランボルギーニ「フェノメノ」が作られた背景には「クンタッチ」のDNAがあった

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

同社のフューオフは、2007年に20台限定で販売された「レヴェントン」にはじまる。

そして「セストエレメント」(2010年)、「ヴェネーノ」(2013年)、「チェンテナリオ」(2016年)、「シアン」(2019年)、そして「クンタッチ LPI 800-4」(2021年)と続く。

オリジナル「クンタッチ」のイメージを引き継ぐ「クンタッチ LPI 800-4」(写真:Lamborghini)

どのモデルでも性能は重要だ。今回のフェノメノを例にとっても、1080CV(約794kW)の6.5リッター12気筒エンジンを搭載。かつ電気モーターは前輪を担当する。

性能を数値でみると、静止から時速100kmまでの加速は、わずか2.4秒だ。

パワフルなAWD(全輪駆動)システムに加えて、6Dセンサーをランボルギーニとして初採用。3軸(左右、前後、上下)の加速度と角速度(ピッチ、ロール、ヨー)をリアルタイムに測定する姿勢制御技術だ。

スーパースポーツカーにとって強力な武器を初採用するというのも、フェノメノがいかにスペシャルであるかの証明である。

「フェノメノ」もシザーズドアを採用(写真:Lamborghini)

さらに「CCC-R Plus」カーボンセラミックブレーキもそなえる。量産版である「レヴエルト」の性能をさらに磨きあげたモデルなのだ。

クンタッチへの憧れ

もちろん、単純に「速ければいい」ということではない。スポーツカーに、審美性はとりわけ重要だ。

デザインを統括したボルケルト氏は、2016年にポルシェから移ってきた人物。東ドイツ(当時)で過ごしていた少年時代から、ランボルギーニ・クンタッチは憧れのクルマだったと熱く語る。

「誰もが憧れるクルマ。これを作るのが私の本懐です」とボルケルト氏は言う。

氏にフェノメノについてのインタビューをしたのは、東京(オンライン)と、ポルトガルで「テメラリオ」のテストドライブが行われたときだった。

ボルケルト氏はランボルギーニ愛を熱く語る(筆者撮影)

「乗ったときに鳥肌が立つような、エモーショナルな感覚を大事にしたいと思っています」

ボルケルト氏が長じてからランボルギーニのデザインに惹かれたのは、先に触れた2007年のレヴェントンだったという。

このクルマのスタイリングを手がけたのは、当時ランボルギーニのデザインを担当していたフィリッポ・ベリーニだといわれている。

次ページランボルギーニのDNAを形に
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事