限定29台の特別なランボルギーニ「フェノメノ」が作られた背景には「クンタッチ」のDNAがあった

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「レヴェントンは、本当にビッグバンでした。それに続くヴェネーノとチェンテナリオも、衝撃的でした」

「ムルシエラゴ」のメカニズムをベースに作られた「レヴェントン」(写真:Lamborghini)

ボルケルト氏は、当時グループ全体のデザインを取り仕切っていたワルタール・デ・シルヴァ氏の指名で、ランボルギーニへ移籍した。

「私はクンタッチLPI800-4を、クンタッチのデビュー50周年記念として手がけました。クンタッチこそ、ランボルギーニのDNAなのです」

ボルケルト氏は、テメラリオのテストドライブの際にインタビューしたときにも、クンタッチから受け継がれている要素を強調していた。

「一目でそれとわかるアイコニックなデザインDNAを持ちながら常に新鮮でエキサイティングであるのは、ランボルギーニの本質的な特徴」と、プレスリリースにある。

ボルケルト氏による「フェノメノ」のデザインスケッチ(写真:Lamborghini)

「こういう車をデザインするときに、アイデアが枯渇することはありません。本当に次から次へとアイデアが出てくるんです」とボルケルト氏。

「コンクール・デレガンスに並ぶよう、地球上で一番美しいクルマでありたいと考えました」

ステファン・ヴィンケルマンCEOは「ランボルギーニのDNAを構成する卓越性とイノベーションの理念」をともなったクルマだと、フェノメノを定義している。

「最初にデザインに手をつけるとき、そのクルマの目的は何かを考えます」とボルケルト氏は言う。

高性能でもシンプルに

フェノミノでは「新次元のパフォーマンスと技術革新」(プレスリリース)が最重要課題のひとつだった。

「12気筒エンジンのため、放熱性は重要でした。それと空力です。高い速度域での走行を目指したので、ダウンフォースを得るロングテールが必要でした」とボルケルト氏。

高速走行のためのダウンフォースを生むロングテールをもつ(写真:Lamborghini)

さらに「なにを優先するかによって、ある程度、形が自動的に決まる部分があります。ハイブリッドのパワートレイン、ホイールベース、それから車体のディメンション、これらはデザイン上の要件です」と続ける。

「それでもフェノメノで最も大切にしたのは“ピュリスティックシェイプ”です。シンプルな線で美を表現したいという願いが実現されています」

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