なぜ一橋大生はダンス・歌"未経験"で選ばれたのか? timelesz・篠塚大輝が示した「考えて動ける力」の凄さ
篠塚の強みは、状況の本質を素早く理解できる点にある。
課題曲「Can do!Can go!」に取り組んだ3次審査では、休憩時間になると、篠塚は真っ先にトレーナーに質問しに行く姿勢を見せた。この積極的な姿勢が、未経験からの急成長を支えた。
ジェイックが企業の人事担当者に行った調査では、「優秀と感じる新入社員の特徴」として「わからないことをすぐに聞ける」が57.7%で1位となり、「素直さ」も重要な要素として多く挙げられている。自分が置かれた状況を理解しながら、篠塚がトレーナーに真っ先に質問しに行く姿勢は、まさにこの調査結果と一致している。
そして、5次審査後にはダンストレーナーのNOSUKEから「もう大輝のことを『未経験者』と呼ぶのはやめましょう」と言わせるほどの成長を見せた。
最終審査後に見せたコメント力
最終審査での合格が決まった直後、篠塚は複雑な心境を率直に語っている。
「決まってから2~3時間後は不安が大きくなってきて。ダンスも歌も未経験だった人間が、どうこのグループに貢献できるのかという焦りもあったんです」
しかし、その不安は先輩メンバーへの感謝と覚悟へと変わっていく。
「発表の時に、『しのを背負う』と言ってくださった。(中略)だからこそ、自惚れとかじゃなくて、自分がこのグループを今以上のステージに持っていく起爆剤になろうと思います」(『anan 2438号』)
この発言に表れているのは、期待と覚悟を受け止め、応えようとする責任感だ。プレッシャーを成長のエネルギーに変える前向きな姿勢が見える。
4次審査では壁にぶつかった篠塚。全編英語詞でダンスの難易度が高い課題曲「RIGHT NEXT TO YOU」に挑戦する。しかし、思うように習得できず「メンバーになる未来が見えない」と菊池の前で涙を流した。菊池は「寂しいこと言うなよ、想像させてくれよ」と声をかける。すると、篠塚は人前で泣くのは弱いことだと思っていたと話し、「もう一度頑張らせてください」と頭を下げた。
「できない」を認めつつ、挑戦する。篠塚は「自分はメンタルが強い人間だとずっと思っていたけど全然強くないことにも気づかされました」と自己分析もしている(『MORE 2025年春号』)。この素直さと自己認識の正確さが、成長を加速させている。
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