旅費+サービスで400万円「介護クルーズ」の中身:豪華客船で自立目指すリハビリ100日間→「歩けないままなら返金」と強気の主催者の"想い"

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ポラリス×クルーズは、ピースボート地球一周の船旅の参加者を対象にしたプログラム。100日間あまりでクルーズ船で世界を巡りながら、参加者はリハビリを行っていく。

「ポラリス×クルーズ」イメージ
ピースボートと提携して行う介護リハビリプログラム「ポラリス×クルーズ」(写真:ポラリス提供)

東京科学大学の医療・創薬データサイエンスコンソーシアムと連携し、介護DXを用いた自立支援を進めるポラリス。同社がジャパングレイスと提携し、本格的に本プロジェクトを開始したのは、2023年4月。「乗るときは車いす、降りるときは自分の足」というコンセプトだ。

船内では、毎日約30分の歩行やパワーリハビリテーション(以下、パワーリハ)を実施。パワーリハとは、加齢や病気によって衰えた身体機能や心理機能を回復させるためのリハビリのことで、マシンを使って筋肉に軽い負荷をかけ、全身の筋力アップを促す。

参加者の体内の水分量、活動量、お通じ、薬剤服用歴、血圧、体重などは、健康管理システムを活用して記録する。

スタッフは看護師と介護職員の3人で、約20人の参加者をケアする。‎体調管理や、食事排泄の介助のほか、寄港地での介助も行っている。森さんもシンガポールまでは乗船して、利用者の様子を見守る。

リハビリが終わると、自由時間。ほかの乗船客と同じように過ごす。

歩けなかったら「全額返金」

サービスが本格的に始まってから1年。これまでに4回出航している。参加者の累計は40名ほどで、要支援1・2が3名、要介護1・2が5名、要介護3は4名、要介護4が2名。利用者の7割が70歳以上(平均年齢は76歳)だ。‎

利用料金は、世界一周クルーズ料金318万円(アウトサイド II/大人お一人様)に、サービス料69万8000円~99万8000円がプラスされる。

決して安い金額ではないが、「歩けるようにならなかったら全額返金※」という保証をつけており、ポラリスにとって実にプレッシャーがかかる内容でもある。だが、それだけ参加者の体が回復する見込みがあると見越しているからだろう(※返金規定あり)。

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