【生まれ変わった新世代ボクサーツインの衝撃】BMWの最新バイク海外試乗、プレミアムツアラー「R1300RT」とロードスター「R1300R」が放つ個性

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新採用の可変サイドディフレクター。手動式でタブをつまんで下げれば適度な風をコックピットに送り、上げれば風や雨をしっかりガード
新採用の可変サイドディフレクター。手動式でタブをつまんで下げれば適度な風をコックピットに送り、上げれば風や雨をしっかりガード(写真:BMW MOTORRAD)

それがワインディングでダイナミックモードに切り替えると、車高はわずかに上がり、前傾姿勢へと変化。サスペンションは引き締まり、コーナーへの入力に即座に応答するとともに、フロントの接地感が増して車体がまるで意志を持って旋回するかのように鋭く曲がっていく。DCAのおかげで、長距離ツーリングの疲労感を残さずにスポーツバイク並みの攻めの走りが楽しめるのだ。さらにPROモードにすれば、車体の挙動はより敏感になり、重いパニア装備やタンデムでも路面をしっかりと捉える。この“二つの顔”を瞬時に切り替えられる体験は、まさに現代ツアラーの贅沢な醍醐味である。

そして高速道路はまさにRTの独壇場! 舞台は速度無制限で知られるドイツ名物・アウトバーンだ。ACCをオンにすれば、前走車との距離も自動で調整され、さらりと流しながら旅そのものに没入できる。さらに超高速域において、電動スクリーンと可変式ディフレクターが作り出すエアプロテクション性能は驚異的。気が付くとメーター表示は200km/hを超えていたが、そこに恐怖心はなく、まるで透明なカプセルに包まれたように静かな空間が広がっていた。

2人乗りも快適だ。パッセンジャーシートは幅広くフラットでライダーとの一体感が持てるデザイン。なんとヒーター付き
2人乗りも快適だ。パッセンジャーシートは幅広くフラットでライダーとの一体感が持てるデザイン。なんとヒーター付き(写真:BMW MOTORRAD)

より快適にスポーティに、ワインディングの走りを楽しみ、疲れ知らずで長距離を走破する。ソロで峠を駆け抜け、夜でも安全に宿へたどり着く。あるいはパッセンジャーと日本一周を目指す旅もリアルにイメージできる。まさにBMWが提案する“旅の自由”を体現するグランドツアラーである。

R1300R試乗インプレッション
研ぎ澄まされた運動神経、R史上最も攻められる

カウルはないが空力特性に優れ、上体を軽く伏せれば、ウェッジシェイプされたフォルムが風を切り裂く
カウルはないが空力特性に優れ、上体を軽く伏せれば、ウェッジシェイプされたフォルムが風を切り裂く(写真:BMW MOTORRAD)

エンジンに火を入れた瞬間、全身を包むのは圧倒的なオーラ。今回試乗したのは、BMW史上最も攻めた「パフォーマンス」仕様だ。スポーツサスペンション、軽量ホイール、グリップ力に優れたタイヤなど、細部に宿る本気の装備が走り出す前からその存在を主張する。クラッチをつなげば、スッと前に出る軽快さ。低重心がもたらす直線の安定感、ボクサー独特の滑らかなリーンフィールに、思わず笑みがこぼれる。

次ページ旅からサーキットまでこなすR1300Rの走り
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