【生まれ変わった新世代ボクサーツインの衝撃】BMWの最新バイク海外試乗、プレミアムツアラー「R1300RT」とロードスター「R1300R」が放つ個性

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スターターボタンを押すと、新世代1300cc水冷ボクサーが静かに目を覚ます。スロットルをわずかにひねれば、豊潤なトルクがまるで湧き水のように立ち上がり、背中を穏やかに押してくれる。市街地の交差点でも高速の合流でも急峻な峠道でも、つねに余裕があり、決して粗野ではない。力強さの中に安心感があるのが、このエンジンの真骨頂だろう。

フロントカウルの真ん中には、アシストの要となるレーダーセンサーを装備。その下にあるのがフルLEDヘッドライト
フロントカウルの真ん中には、アシストの要となるレーダーセンサーを装備。その下にあるのがフルLEDヘッドライト(写真:BMW MOTORRAD)

郊外のワインディングに差しかかると、RTの別の顔が現れる。ステアリングに軽く入力した瞬間、巨体を忘れるほど素直にリーンし、まるでマシンが意思を持っているかのようにラインへ吸い込まれていく。立ち上がりではトルクの塊が路面を蹴り出し、装備を満載した車重280kgのグランドツアラーとは思えぬ俊敏さで駆け抜けていく。走り始めて30分もすれば、自分の感覚とマシンが一体化し、スポーツバイクに乗っているような錯覚さえ覚えるほどだ。

DCAが解き放つ新次元のコーナリング

新型RTの最も革新的な部分は、「ダイナミック・シャシー・アダプション(DCA)」だ。走行モードを切り替えるだけで、車高、サスペンションの硬さ、キャスター角まで瞬時に変化。最初はコンフォートモードで街道を走ったが、フラットで安定した車体姿勢と柔らかなサスペンションに包まれ、路面の凹凸を吸収する滑らかさに驚かされる。

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