一見なんの変哲もないおむすびに見えるが…「お米一粒一粒が立ってる!」「冷めてもうまい!」手作りを守り抜いた広島のソウルフードが凄すぎた

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「機械じゃなくて手でやっているので、そこの違いは大きいと思います」と浮田さん。実際に機械化も検討したことがあるというが、「やっぱり手で握るのと機械で握るのでは、そのふっくら具合が全然違う。機械で再現するのは困難でした」と手作りにこだわる。

店内では「むすび人」と呼ばれる資格を持つスタッフのみがむすびを握ることができる。資格を取得するには、短くても半年以上、長い人で1〜2年の修業期間が必要だ。

「ご飯を取る量から始まって、むすび自体のグラム数も決まっています。数回で握って仕上げる。ふわっとした口の中で米がほどけるような食感を出すために、握りの力加減が重要なんです」

現在約40名の「むすび人」が活躍しており、中には高校生で入社して65歳を迎えた大ベテランもいるという。長く続ける人のやりがいについて聞くと、「やっぱりお客さんとの会話が楽しいということと、自分が作ったむすびがおいしいって言われたら誰もが嬉しいですから」と浮田さんは語る。

気温・湿度で毎日調整。米炊きへの職人的こだわり

手作りのこだわりは握り方だけではない。米の炊き方にも工夫が凝らされている。

「一般家庭だと米を研いですぐ炊くと思うんですが、うちは米に水を吸わせるために寝かせているんです。気温や湿度も毎日違うので、加水率(お米に対する水の量)のパーセンテージも日々変わってます。決まったパーセンテージで炊いても、次のご飯を炊くときはそれをもとに水を多くしたり少なくしたりして調整しています」

使用する米は地産地消を重視し、広島産を中心に使用。ただし、年度によって品質が変わるため、新潟や九州の米も含めて最適なものを選んでいるという。「昨今は雨が降らないので、今年の新米が心配ですね」と、米農家への気遣いを見せる。

むすびのむさしの知名度を全国区に押し上げているのが、カープとの関係だ。カープの選手が遠征用に購入することで有名になり、今では他球団の選手にも人気が広がっているとのこと。

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