京都に進出、JR東海「ホテル拡大戦略」の深慮遠謀 既存ホテルを買い取り「マリオット」ブランドに

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その証拠に、JR東海は四条烏丸だけでなく、京都駅の八条東口近くに「コートヤード・バイ・マリオット京都駅」を2026年度に開業する。この場所にあった京都府市町村職員共済組合が運営するホテルを解体して新たなホテルを建設する。地上9階建てで客室は270室の予定。現在は工事の真っ最中だ。

四条烏丸よりも後の開業となるが、物件取得は八条東口のほうが早い。ジェイアール東海ホテルズの伊藤彰彦社長は「京都・関西エリアに拠点を作りたいと思っていたが、自社の土地がなく外部から買うことにした。それがきっかけで四条烏丸のご縁をいただいた」と話す。信頼できると判断した相手には有益な情報が次々ともたらされるのはいかにも京都らしい。

コートヤード・バイ・マリオット京都駅の建設現場
京都駅の八条東口で建設中の「コートヤード・バイ・マリオット京都駅」(記者撮影)

世界的ホテルチェーンと連携進める理由

マリオットとの連携は京都に続き、8月28日には新横浜駅直上の「ホテルアソシア新横浜」を「コートヤード・バイ・マリオット新横浜駅」として、2026年8月にリブランド開業することが発表された。

しかもホテル事業のパートナーはマリオットに限らない。岐阜県高山市にある「ホテルアソシア高山リゾート」はマリオットに並ぶ世界的ホテルチェーンのヒルトンと組み、「ヒルトン高山リゾート」として、2026年秋にリブランド開業する。また、近鉄奈良駅近くの土地を取得して2030年度に開業予定のラグジュアリーホテル「ホテル 寧 奈良」は同じく世界大手のハイアットと組んで富裕層の集客を狙う。

このように世界のホテルチェーン各社からJR東海にラブコールが相次ぐ理由はなぜなのだろうか。マリオット・インターナショナル日本・グアム担当マーケットヴァイスプレジデントの田中雄司氏はパートナーとしてのJR東海の強みとして「東京から大阪まで鉄道でつないでいることの安心感」を挙げている。東海道新幹線を安全・安定輸送しているという実績が、ホテル運営面でも強みとして捉えられているのだ。

マリオット 田中雄司氏
マリオット・インターナショナル日本・グアム担当マーケットヴァイスプレジデントの田中雄司氏(記者撮影)
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