京都に進出、JR東海「ホテル拡大戦略」の深慮遠謀 既存ホテルを買い取り「マリオット」ブランドに

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「コートヤード・バイ・マリオット」は中位に属するブランドで、宿泊料金は一般の観光客の手に届きやすい価格帯に設定されている。「ゲストルームキング」という、キングサイズのベッドを備えた客室の9月の宿泊料金は平日1室2万円から。紅葉の時期はもう少し高くなる。

マリオット 京都四条烏丸
「コートヤード・バイ・マリオット京都四条烏丸」の外観(記者撮影)

JR東海グループでホテル事業を担うジェイアール東海ホテルズがマリオットとフランチャイズ契約を結び、その経営ノウハウとブランドを使ってホテル運営を行う。マリオットのポイントプログラムの会員数は世界で2億人を超えるだけに、世界中から予約客が集まるのも魅力だ。

ジェイアール東海ホテルズは新横浜、静岡、豊橋などで「ホテルアソシア」のブランドで展開しているが、名古屋ではマリオットと組んで「名古屋マリオットアソシアホテル」を2000年に開業した。マリオットとは25年にわたる付き合いとなる。

今回、アソシアのブランドを使わなかった理由については、「ブランド名称は立地やホテルの特性などを考慮して決めており、京都という地においては、マリオットグループの中でも世界で数多く展開されており高い認知度のあるコートヤード・バイ・マリオットが適していると判断した」(JR東海広報)という。

「そうだ京都、行こう」が実績に

京都でのホテル初進出で役立ったのが1993年から現在まで続くJR東海の「そうだ京都、行こう」キャンペーンである。京都のさまざまな景色を映像で紹介し、首都圏から大勢の観光客を東海道新幹線で京都へ誘致する。京都とJR東海の双方にメリットがある施策だ。

JR東海の丹羽俊介社長は「キャンペーンを通じて京都の地元のみなさまに大変お世話になった。その過程でいろいろな人間関係やネットワークを蓄積することができた」と話す。「一見さんお断り」というフレーズに代表されるように京都には信用できる客としか取引をしないというイメージがある。しかし、JR東海は30年にわたる京都キャンペーンの実績により京都に受け入れられた。

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