サントリー新浪剛史前会長を襲った≪大麻サプリ≫の罠 合法「CBD」と違法「THC」の境界はどこに?
さらに、部位規制から成分規制となって、CBDは使用が認められることになったものの、THCは依然として厳しい規制下に置かれた。加えて、2024年からはTHC残留基準が本格施行され、CBD製品であっても基準値を超えた場合には違法と判断される仕組みが整えられた。
ここ数年、いわゆる「大麻グミ」による健康被害や救急搬送が相次ぎ、厚労省や消費者庁が注意喚起を繰り返している。SNSや国際的なネット販売を通じて、匿名かつ容易に購入できることがその大きな原因の1つだ。
従来の違法薬物は「売人が密売している」というイメージが強かったが、現在は通販で買える「健康サプリ」や「お菓子」として偽装されて流通しているものがある。
サプリやグミ化する違法薬物
心理的には、「グミ」「サプリ」といった呼称が与える「無害性の錯覚」が、使用へのハードルを大きく下げる。薬物使用に対する恐怖や罪悪感よりも、「リラックスできる」「睡眠に良い」という宣伝文句が強調されることで、若者を中心にリスク認知が鈍化している。
実際、検挙データを見ると、大麻事犯は増加傾向にあり、若年層(20代以下)が85.1%を占めている。
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