《万博》唯一の個人店が挑んだ「冷凍だらけ」の現実 生食材からの完全手作りで、1日7回転の大繁盛とんかつ店を生んだ"執念"の舞台裏
万博で目にした、まさかの光景
2025年4月、大阪・関西万博がスタートして野口さんが目にしたのは、衝撃的な光景だった。生や冷蔵で食材を仕入れ、一から手作りをしている日本の飲食店はほぼない。野口さんが見た限りでは、ほとんどの店舗が冷凍食材を使用していたのだ。
一方、海外パビリオンを見ると大多数が、生や冷蔵の食材で一から手作りしていた。サウジアラビアとハンガリーのパビリオンでは、「世界のトップ100人」レベルのシェフが腕を振るっている。「日本の料理、弱くないか?」野口さんは愕然とした——。
時を遡ろう。『とんかつ乃ぐち』に万博から内定通知がきたのは、2024年12月だ。1度目の公募には落選したが追加公募で、放送作家や脚本家として活躍する小山薫堂さんがプロデュースする未来型レストラン「EARTH TABLE〜未来食堂〜」エリアに内定が出たのだ。


















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