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《万博》唯一の個人店が挑んだ「冷凍だらけ」の現実 生食材からの完全手作りで、1日7回転の大繁盛とんかつ店を生んだ"執念"の舞台裏

ひと品ひと品、カットも味わいも全く異なるとんかつ(写真提供:とんかつ乃ぐち)
筆者が食べたコースに登場した、静岡県産の銘柄豚『LYB豚(ルイヴィトン』肩ロース。パンを思わせるやわらかさで、噛むほどに、控えめな甘みが感じられる(筆者撮影)
山形県平田牧場の『金華豚』リブロースは、もっちり食感でたんぱくな味わい。先端の脂身からは、野趣を感じる肉汁があふれる。「脂身はマグロのトロ感覚で、たまり醤油で食べるのがおすすめ」と野口さん(筆者撮影)
コースのスタート前、色鮮やかな生の状態で当日の銘柄豚のラインナップが披露される(筆者撮影)
現在の店で提供している日替り前菜の1つ、農場直送のブランド豚「三右衛門」の生ハムとスペインオムレツ(筆者撮影)
「おまかせとんかつコース」(税込み6800円)で提供される、豚の銘柄も部位も異なる5品のとんかつ(写真提供:とんかつ乃ぐち)
「食の未来」を体験できる、万博ならではの特別なレストランが集まる「EARTH TABLE〜未来食堂〜」の一角にオープンした『とんかつ乃ぐち』(写真提供:とんかつ乃ぐち)
使用する豚肉は、品種や掛け合わせで「400種類以上ある」という銘柄豚から選び抜いている(写真提供:とんかつ乃ぐち)
前菜の一例。グラスは、冷製とうもろこしのすり流しをベースにした「和風コーンポタージュ」。皿は、鰹出汁に薄口醤油と味醂で味付けした「冷やしフルーツトマト」と、生胡椒と醤油漬けした「鱧のバターソテー」、夏大根の柚子味噌田楽(写真提供:とんかつ乃ぐち)
1つずつ、肉それぞれの個性を引き出す丁寧な仕込みが行われる。早朝からはじまり、カットだけで5時間に及ぶことも(写真提供:とんかつ乃ぐち)
山形県にある平田牧場の銘柄豚『バークシャー50』のシャトーブリアン。ほどけるようなやわらかさと上品な旨味は、牛ステーキを凌駕するおいしさ(筆者撮影)
食材調達や資金調達の交渉を担当した、経営コンサルタントの酒井裕二さん(写真提供:とんかつ乃ぐち)
大阪中央卸売市場から届く、新鮮な野菜と豚肉をたっぷり使った赤味噌の豚汁(筆者撮影)
前菜と現場オペレーションを担当する和食の料理人、清水研羊さん。前菜では日本料理の象徴である出汁を使いながらも、イタリアンを意識したり多国籍にしたり、和洋折衷で日々新しいメニューを提案している(写真提供:とんかつ乃ぐち)
工務店の協力を得て、『とんかつ乃ぐち』は他店の約半額の予算で完成した(写真提供:とんかつ乃ぐち)
野口さんは控えめで、常に口元に微笑を浮かべている。けれど、その内側には強大な「巻き込み力」と反骨精神が秘められている(筆者撮影)
「お化け屋敷」と呼ばれた“おんぼろアパート”で営業していた中津の店(写真提供:とんかつ乃ぐち)
中津時代、関西を代表するグルメ雑誌『あまから手帖』をはじめ、数多くのメディアに取り上げられていた。俳優の佐々木蔵之介さんほか、芸能人のファンも多い(写真提供:とんかつ乃ぐち)
「おまかせコース」のイメージ。とんかつは5銘柄5部位で、1ピースは50~60グラム、全部で250~270グラム程度が提供される。中津では8銘柄8部位を提供していたが、昼はアトラクションの予約、夜は花火や水上ショーと、ほかの目当てがある客が多いため、「1時間で食べ切れる量」を考えこの形となった(写真提供:とんかつ乃ぐち)
目指すのは、「思わず天を仰いでしまうおいしさ」。同じ肉を同じ調理法で揚げても、毎回イメージ通りの味にはならないのがとんかつの難しさだ(写真提供:とんかつ乃ぐち)
「自分はアスリートに近いのかもしれない」と野口さん。「プロのアスリートは故障しても、そこから『身体にどんな負担がかかっているか』を考え、練習しながら身体の癖を補正し治します。僕も何度も腱鞘炎になっていますが、『腕に負担がかからないよう、効率よく料理するにはどうしたらいいか』を考え、料理しながら治しています」(筆者撮影)
テイクアウトメニューとして人気のカツサンド2800円(写真提供:とんかつ乃ぐち)
2025大阪・関西万博に唯一の個人店として出店を果たした『とんかつ乃ぐち』。しかし、それまでの道のりは…