「部屋を預けていた妹が出て行かない」しびれを切らした姉が訪れてみると…3年間、妹が隠し続けていた"驚く顛末"

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2~3回繰り返すうちは、今回のようにきょうだいや親族が費用を負担したり、片付けを手伝ったりすることもある。しかし、それ以降は「もう面倒を見きれない」と実家に帰されてしまうケースも少なくないという。二見氏は過去の事例を挙げる。

「親が2回分の片付け費用を支払っていた20代女性の現場がありました。しかし、3回目になると、母親は『もうお父さんに相談できない』と。お母さん自身には全額負担できるだけのお金は残っていません。娘さんはそもそも母親に何十万円も借金をしていて、クレジットカードの返済もたびたび親が立て替えていたそうです。看護師でしたが、ストレスからかブランド品のショッピングがやめられないということでした」

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片付けから30分ほどで床が見え始めてきた(写真:「イーブイ片付けチャンネル」より)
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きれいになった部屋を見て喜ぶ依頼主(写真:「イーブイ片付けチャンネル」より)

親は子どもをどこまで援助するべきか

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このような状況に陥ったとき、親はどうすべきなのか。二見氏は自身の経験を交えて語る。

「私も19歳のときにクレジットカードの返済が滞った経験があります。何度か母に立て替えてもらいましたが、あるとき『あんたもうこれで最後な』と援助をきっぱり断られたんです。

それまでは、『また親が何とかしてくれるんじゃないか』と心のどこかで甘えていましたが、そのひと言で意識が変わり、自分で何とかするしかないと思うようになったんです」

前出の看護師の母親は、「子どもが自殺でもしたら大変なので助けざるをえない」と話していたという。子を想う親心としては当然の感情ともいえる。しかし、時には、見放す勇気も必要なのかもしれない。

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キッチンもすっかり元の姿を取り戻した(写真:「イーブイ片付けチャンネル」より)
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人が入れる状態ではなかった洗面所や浴室もすっかり何もなくなった(写真:「イーブイ片付けチャンネル」より)
國友 公司 ルポライター

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くにとも こうじ / Kozi Kunitomo

1992年生まれ。筑波大学芸術専門学群在学中よりライターとして活動。訳アリな人々との現地での交流を綴った著書『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』(彩図社)が文庫版も合わせて6万部を超えるロングセラーに。そのほかの著書に『ルポ路上生活』(KADOKAWA)、『ルポ歌舞伎町』(彩図社)がある。

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