妹はなぜここまでゴミをためてしまったのか。姉にもその理由はわからないという。
「(妹は)そんな子でもなかったんですけど、なんかちょっとメンタルが弱くて、汚しちゃったのかなとは思うんですけど」
部屋に飾られたままの写真は、姉が住んでいた当時に飾っていたものだという。それ以外は基本的にすべて処分となる。
この日の作業スタッフは5名。現場は集合住宅でエレベーターは1基のみだ。ただ、姉がある程度の仕分けをしていたこともあり、当初2時間と見込まれていた作業時間は、大幅に短縮されそうなペースで進んでいった。


またゴミ屋敷に戻ってしまう住人たち
作業開始からわずか30分で床が見え始め、1時間30分もすると、あっと言う間に部屋の中は空となった。ゴミ屋敷になってから長くても3年。床や壁のダメージはほとんどないようだ。本来の部屋の姿を取り戻した空間を見て、依頼主は安堵の表情を浮かべる。
「本当にうれしいです。よかった。このまま無事引っ越しできます。ありがとうございました。怒ることはないので、『何かあったらすぐ連絡してほしい』って妹には伝えます。心配なので」
今回のように、住んでいる本人の気持ちの変化ではなく、外的要因によって片付けざるをえなくなった場合、ゴミ屋敷が再発する可能性は高いのだろうか。イーブイ代表の二見文直氏が指摘する。
「住人が自分で片付けを決意していない場合、またゴミ屋敷になってしまう可能性は高いです。本人が片付けを“受動的”に行っているか、“能動的”に行っているか。やはり能動的でない場合、きれいに片付けたとしてもまた同じような状態に戻ってしまうことが多いです」


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