主な生活スペースだった奥の洋室も状況は同じだった。部屋の大半を占めるのは、コンビニ弁当や総菜、カップ麺の容器が詰め込まれたゴミ袋の山だ。中身を見ると、紙ゴミ、プラスチック、ペットボトルなどが分別されずに混在している。
ベッドの上には、人の胸の高さにまでゴミ袋が積み上げられており、寝る場所はどこにも見当たらなかった。
作業スタッフがベッド上のゴミを片付け、マットレスをめくると、その下からも大量のゴミがあふれ出てきた。
ファストフード店の包み紙、潰れたペットボトル、カップ麺の容器……。散らかり始めた初期にゴミをベッドの下に隠していたのか、あるいはゴミの置き場がなくなり、最後のスペースとして押し込んでしまったのだろうか。


引っ越しを機に発覚した惨状
スタッフが作業を進める傍ら、今回の依頼主である姉に話を聞いた。彼女は20代半ばで医療関係の仕事に就いているという。この部屋の本来の契約者だ。
「この部屋には私が最初住んでたんですけど、3年ぐらい前からちょっと九州のほうで、親が体調を崩して。私は大阪と九州を行ったり来たりしていたので、この部屋を妹に任せて、別の所に住んでいたんです」
姉が九州の実家と大阪を行き来する生活を送る中で、20代前半の妹が代わりにこの部屋に住むようになった。しかし、姉が正式にこの部屋を引き払い、引っ越しを決めたとき、事態が発覚した。
「もうここを引っ越そうと思って妹に連絡したら、『ちょっと無理』って言われて。『なんで?』ってなるじゃないですか。それで部屋に来たらこの状態で……。ちょっとテンパっちゃって。ネットで調べたら、ここ(イーブイ)が出てきたので、片付けをお願いしようと思ったんです」(姉)

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