テスラ「モデルS」最強仕様はここまでスゴい ついに日本上陸したP85Dに乗ってみた

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P85Dには、ルーディスクラス スピードアップグレードなるオプションが設定されており、もともとの4輪駆動の設定に加えて、バッテリ容量を90kWhまで追加すれば、0→100km/h加速は3秒フラットまで加速性能を高めることができる。最高速は250km/hに達する。

圧倒的な加速が生まれるインセイン・モード

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速さだけでなく、高度ドライバー支援も充実している

話がそれるが、Ludicrousという単語は「ばかげた」という意味で、平たく言えば、“笑っちゃうくらい突き抜けている”ということだ。インセイン・モードを選ぶと、圧倒的な加速が生まれるとされる。老舗自動車メーカーなら絶対に使わないような俗っぽい言葉を使うのも、アメリカのスタートアップ企業らしいところだ。「狂ってね?」みたいな雰囲気で、アメリカのドラマなどでは日常的に使われている。

動力性能の向上に加えて、もう一つの大きな進化が高度ドライバー支援の追加だ。具体的には、自動ブレーキ、後方&側方の死角警告装置、前車追随型クルーズコントロール(ACC)が加わっている。驚くことに、このようなアップグレードは、今後もソフトウェアを自動で更新することで進めていくという。

EVの課題とされる1回の充電で走れる距離は491kmと、実用性に耐える数字だ。イーロン・マスク氏がテスラの拠点を構えるサンフランシスコからロサンゼルスまで一気に走りきることを目指して、巡航距離を約500kmに設定したことによる成果だ。アップダウンの有無や走り方次第で実際の走行距離は変わるが、筆者は以前にスタンダードのモデルSで軽井沢を往復しているから、1回の充電で300km以上は軽くこなせるだろう。

テスラが創業した2004年当時、IT業界でこそ、イーロン・マスクは有名人だったが、自動車業界では「またEVのブームがやってきたのか」程度の受け止められ方だった。実際、EVブームは10年おきにやってきていた。

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